今年良かった曲たち その4
カテゴリ:日記

 

31.Suchmos / YMM

 

 今年はこういうファンクっぽいビート&曲調がトレンドだったと思うんですけれども、そういう中でもグンを抜いて格好良いバンドだと思いました。で、こういう音楽を日本語で、サラっと格好良くやるのって難しいと思うんですよ。なのに、このひとたちは借り物感がないというか、本当に自然にこういう音楽をやっているように感じられて、ますますスゴイなぁと思ってしまうわけです。それに比べて、俺の若い頃は猿だな、と。笑。

 

32.D.A.N. / POOL

 

 そして、このD.A.Nも素晴らしいですよね。いやぁ、格好良いなぁ。このバンドもとっても自然に日本語で格好良い音楽をやっていて、惚れ惚れします。それこそずっと、どうやって日本語でロックやファンクやヒップホップのトラックの上を泳ぐのかっていう課題がポップミュージックにはあったと(勝手に)思うのですが、いよいよ課題ですらないというか、その先に来ているというか、様々なジャンルで素晴らしい才能が現れて、リスナーとしては嬉しい限りです。

 

 

33.KOHH / Living Legend

 

 そしてKOHH。5LACKが出てきたときに俺は衝撃を受けたんですけれども、それを超えるかもしれないインパクトというか、とんでもないアイコンの誕生なんじゃないかと興奮してしまいます。完膚無きまでに、COOL、としか言いようがない。洋楽のリスナーが日本語の音楽に「ダサッ」みたいなツッコミいれることってよくありますけれど、彼にそんなこと言えるひといないんじゃないかと思います。いや、全方位に、ヒップな方向からもマイルドヤンキーみたいな方向からみても、もう、格好良いとしか言いようがないんじゃないかと思います。

 

 

34.折坂悠太 / 馬市

 

 坂口恭平君に教えてもらった折坂悠太の馬市。「あけぼの」というアルバムも素晴らしかったです。これも別方向から、日本の音楽の豊かさを表してくれているような音楽で、そういう才能の登場なのではないでしょうか。楽しみですね。

 

 

35.寺尾紗穂 / 楕円の夢

 

 寺尾さんのこの曲もすごく素敵でした。特にこのビデオを観ていると、普段、僕たちはささやかな美しさを見過ごしているんだと感じます。ソケリッサという舞踏集団の踊りを見て、「おっさんが踊っとるwww」みたいな反応が世の中には溢れているというか、それが常温みたいに思っているひとが多いと思います。でも、本当にそうなのだろうかって。寺尾さんの作品は、そうやって別のパースペクティブを俺に与えてくれます。例えば、美しさについても。

 

 

36.sébuhiroko / 君のほんの少しの愛で

 

 アルバムでは「YOU」という曲がとても好きで、どうしてリード曲じゃないのが不思議です。ぜひ、アルバムを買って「YOU」という曲を聴いてみてください。涙が出るほど素晴らしい曲ですから。聴くひとひとりひとりを指差しながら、そっと手招きして音楽の輪に入れてくれるような楽曲です。なんか、竹とか木材とか、叩けるものならなんでも持って演奏に参加したい、そんな気分になります。つまりこれ、生きるってことを肯定してくれているんです。ビデオの曲じゃないんですが、「YOU」、チェックしてみてください。

 

 

37.Turntable Films / Light Through

 

 長いトンネルを抜けたようなタンテの新作。多分、これからもう少しギアを上げて、活発に活動して行くと思うんですけれども。彼らのように洋楽の影響を受けて活動していたバンドやミュージシャンがいまいちセールス的な評価を得られないってことは、よくあることだと思います。そこで折れてしまえばそこまでなんですけれども、はっきりと、胸を張って鳴らし続けて欲しいと思うんです。確かに、思ったよりセールスが伸びないっていうことでダメージを受けることはあるんですけれども、音楽が良くないなんてことはなくて、聴いたら分かる通り素晴らしいわけですから。前のアルバムから、彼らには同じこと書いていますけれど、「迷わず行けよ」と猪木の言葉を引用してエールを送りたいです。

 

 

38.Ropes / dialogue

 

 最近では細美君の新バンドMONOEYESのギタリストとしても活躍しているトディと、俺のソロにコーラスで参加してくれたアチコさんのROPESの新譜。アチコさんみたいな声の女性シンガーって、なかなかいないですよね。太くて存在感がある声。トディのギターの独特なアトモスフィアも素晴らしいです。

 

 

39.MONOEYES / Run Run

 

 エルレのときから、最高に楽しそうな笑顔なんだけど悲壮感も併せ持っていた細美君。俺たち観客はいつもハッピーなんだけど、ちょっとこちらが後ろめたくなるくらいのときもあって、いいからこのひとが音楽で救われますように!なんて思うことが何度もありました。で、ようやく、楽しそうなバンドを組んだんだなぁって、嬉しくなります。ねえ。俺にとってのロックスターだからなぁ、細美君は。何度も救ってもらったから、もう楽しくやって!って感じ。笑。

 

 

40.ストレイテナー - NO ~命の跡に咲いた花~

 

 最近、インスタグラムなんかを見てると「モテがすごいな」と思うんです、ホリエ君。肌もツルッツルだな、と。そういうことは関係ないんですけれど、相変わらず良い曲作るなぁと思います。同時代を走ってきたバンドたちって、みんなそろそろ中堅というかベテランの一歩手前というか、なかなか微妙な立ち位置になってきていると思うんです。書くことも、やりたい音楽も、若いころとは少し違ってきて、若いってだけで推進力があった頃とはバンドの身体つきも変わってくる。そういう中で、こうして同志と呼べるひとたちが、トランスフォームしながらクオリティの高い音楽を作り続けているのは励みになります。

 

 

 というわけで、このくらいかなぁ。まだいろいろ漏れていると思います。おっさんだから、物忘れもひどいので。笑。今年は新譜だけでなく旧譜もたくさん聴きましたね。最近はリイシューものがたくさんリリースされるので、買い直しに忙しくて、新譜に割く時間が減っているかもしれません。ネットの登場で、旧譜も新譜も並列に聴くことができますものね。改めて、新しい作品を作ることに対する意識を変えて行かねばと思います。この厖大なアーカイブに爪痕を残し気概はあるのかと自分に問いかけながら。

 

 あとはRAU DEFの新譜とか一曲もビデオがYouTubeに上がっていないとか、そういう物理的な事情で紹介できなかった曲もあります。

 

 そんな感じで、皆様、よいお年を。

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