今年良かった曲たち その3
カテゴリ:日記

 

 今年気に入った曲を次々にアップしています。数字は順位ではありません。年始にレコードやCDを買うときの参考にしてもらえたら本望です。

 

21.Beirut / No No No

 

 4ADからリリースされたベイルートの新譜。相変わらず素晴らしい。各メディアの年間ベストには入ってこないのは若干トレンドとズレたところがあるのかな(去年か一昨年だったら...)なんて回想しつつ、それでも良いアルバムです。様々なエスニックを混ぜたり、クロスオーバーさせていて、結果的に立ち上がってくる肌触りというか音の感触が独特で、個性的だと思います。普段日本のロックしか聴かないひとにも、とっつきやすいところあると思います。

 

 

22.長谷川健一 / 誰がため

 

「誕生日」という曲を紹介しようかと思ったのだけど、YouTubeになかったので、別の曲を紹介します。長谷川くんとは仲が良くて、前作であるカヴァーアルバムは俺のスタジオで録音したんですね。エンジニアは俺がやりました。ミックスは今回のアルバムと同じKC君。そのときに俺のスタジオで「誕生日」という曲を演奏してくれて、それが素晴らしくて感動したのを覚えています。長谷川君の単独ライブを目の前でやってもらっているような録音環境で、普通に1万5000円くらいチケット代を払いたいくらいでした。笑。彼のファルセットは静謐なんですけれど、熱さと冷たさが同居しているようなアンビバレンス=両価性を感じるところがとても好きです。

 

 

23.Sufjan Stevens / Death with Dignity

 

 スフィアン・スティーブンスの新譜は両親のことをテーマにした作品でした。ここ数年の、ジャンクな電子音を混ぜ込んでいた作風から一気に時計の針を戻すような、アコースティックな音像(音も小さい!)。内容がプライベートなので、音像もそれに寄り添ったんだと思いますが、やっぱり何をどうしても良いなぁと思います。前回の渋谷クアトロでの初来日以来、日本では公演してないですから、また来て欲しいです。切実。今年は名盤『イリノイ』のデラックス版もリリースになっているので、未聴の方はそちらもぜひ。

 

 

24.Albert Hammond Jr. / Born Slippy

 

 ストロークスのギタリスト、アルバート・ハモンド・ジュニアの新譜から。このひとの1stが大好きなんです。去年はアナログ限定の音源も出して、それがややルーズな録音で心配だったんですけれども、新しいアルバムはとても良かったです。ストロークスでのギターワークがどこまで彼のアイデアか分からないのですけれど、きっちり16分のフレーズとかを刻んでいるところとか、ストロークスの屋台骨って感じで格好良いんですよ。ギタリストとしても、本当に好きです。

 

 

25.Mac DeMarco / Another One 

 

 ビデオがアホだなぁっていう。これオフィシャルじゃないのかな。笑。前作よりもリバーブが深くて、落ち着いた作風でしたね。ヤンチャさは影をひそめて、フワッと夢見ごごちに誘われるような音像。こういうタッチに比べて、現実世界はバッキバッキにソリッドにこんがらがってる昨今ですから、若干齟齬があるのかもなぁなんて感じもしますが。アメリカのインディロックの勢いが落ちてきているのは、もう逃避とか言ってられない世界情勢のせいかもしれません。リバーブだけでは逃避できねえ!っていうか。笑。マックデマルコとは関係ないけど。

 

 

26.Father John Misty / True Affection

 

 フリートフォキシーズの元メンバーの作品。本当に素晴らしい。前作も持ってなかったので、二枚まとめて買いました。なかなか気になるタイトルの曲ばかりで、この作品は歌詞をじっくり読んでみたいと思っています。年が明けて、時間ができたら翻訳に挑戦してみようかしら。「Holy Shit」だとか、「Bored In The USA」だとか、ジャケットも含めて気になります。まあ、それでいて、とってもアメリカ的な音像ですけれども。

 

 

27.Kendrick Lamar / King Kunta

 

 各メディア絶賛のケンドリック・ラマー。自分の趣味から離れて去年の一枚を考えるならば、まあ、彼のアルバムになることに異存はありません。このアルバムの楽曲たちが歌われる側からズバズバと理解できる言語能力を持っていない、っていうのが、本当に悔しいですけれども、こればっかりは仕方ない。音だけ聴いたってもちろん、素晴らしいのですけれども。

 

 

28.cero / Summer Soul

 

 日本のアルバムではやっぱりceroが今年の一枚だと思います。彼らは登場からずっとラディカルですけれども、ブチ抜けていますよね。このアルバム以外を邦楽のポップミュージックのNo.1に選ぶメディアがあるとするなら、俺はそんなの信用しなくて良いと思います(偉そうに)。って、俺も趣味で選んだoidの年間ベストに入れてないんですけれども。笑。その言い訳にこういうこと書いているんじゃなくて、もうずっと、彼らこそがトップランナーですよ。彼らあってこそ。最高。

 

 

29.サカナクション / 新宝島

 

 ドリフみたいなビデオはさておいて、サカナクションのこの曲はすごく良いなぁと思いました。米米クラブが欧米を目指したあたりの、SHAKE HIPとかを思い出しましたけれど、こういうエスニックなメロディは世界で受けると思います。僭越なコメントなんですが、多分、サカナクションって海外で受ける要素を全部持ってると思うんですよね。いやぁ、散歩しながら、「次のぉ、目的地をぉ〜」って随分口ずさみました。中毒性がある。笑。このヴァースだけで延々聴いてられます。

 

 

30.Robert Glasper / So Beautiful

 

 ロバート・グラスパー・トリオのカヴァーアルバムも良かったです。ライブも観に行ったんですけれども、いやいや、本当に素晴らしいの一言。日本のお客さんがあまりにシャイで、「本当に楽しんでる?大丈夫?」みたいな感じのMCをしていて、申し訳ないなぁとか思いました。頑張って、良いところではワーキャー騒いで「ええぞー!!」ってアピールしましたけれども。笑。レディオヘッドやニルヴァーナのカヴァーもいていますので、ロックファンでも取りつく島があると思います。何より、演奏が良いので、音楽好きだったらふつうにうっとりする気もしますが。

 

 その5まで予告しましたが、次回くらいまでかな。LPだけでしか持ってない作品も多いので、案外パッと思いつかないものです。つづく。

2015-12-29 1451343960
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