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今年良いなぁと思った曲たちの続きです。番号は順位ではありません。
11.Alabama Shakes / Shoegaze
曲はもちろん、アルバム全体を通して、とにかく音が好みでした。ナッシュビルというアメリカのフォーク/カントリーの聖地みたいな場所で録音とミックスが行われた作品なんですけれども(アジカンのWonder Futureもナシュビルでミックスしています)、おそらく土地ならではの伝統的な手法や機材の良さと、90S以降というよりは最近のテクノロジーが融合したようなサウンドデザインだと思うんですよね、想像ですけど。アナログのヴィンテージ機材と、それこそ現代的なプラグインの使い方のバランスが絶妙なんですよね。根性論とかじゃなくて「良くなるやり方が良いやり方」っていう、合理的な選択がアメリカ人は上手なんじゃないかと。そんなことを思いながら、でも、理屈抜きでぶっ飛ばされる作品でした。weezerのピンカートンと同じエンジニアっつうのも、なんだか感慨深い。
12.Courtney Barnett / Dead Fox
このくらい詩が書けたらなぁと思います。10代とか、20代になったばかりなのに、オーストラリアの高速道路の話から様々なところに場面を切り替えながら、自分の生活と関わっている現代的な問題について詩的にチクチク物申すというか、皮肉を撒いていくわけです。辞書で調べながら翻訳してみましたけれど(訳はコチラ)、ダブルミーニングとか、言葉遊びも秀逸。本当に格好良いSSWです。素晴らしい。最近のオーストラリアは熱いですね。
13.Blur / Ghost Ship
ブランク感じないなぁって、デーモン・アルバーンはずっとポップミュージックの最前線を退いていないですもんね。まさか2015年にブラーの新譜を聴けると思っていなかったので、嬉しかったです。再結成当時のライブ映像とか、来日公演とか、デーモンがはしゃいでいる感じがして(若干空回ってるような)、なんだか気恥ずかしい感じもあったんですが、このまま格好良いベテランとしてじわじわ活動していってくれたら最高ですね。
14.NOT WONK / Laughing Nerds And A Wallflower
苫小牧のバンド。いや、この曲最高です。3分くらいのところでアウトロ行って投げっぱなして終わっちゃえばいいのに!とか思うんですけれども、こんなに良い曲できたら、なるべく長く演奏していたいよなぁなんてバンドの気持ちも勝手に想像しながら、とにかく「最高だなぁ」とか思いながら、今年何度も聴いた曲です。こういうバンドが居れば、別にロックの未来がどうだのこうだのなんて言葉に耳を貸す必要ないですよ。鳴ってる音が、もう、オールライト!って肯定してくれてるわけですから。
15.Waxahatchee / Breathless
ワグザハッチーのセカンドアルバムから。いやいや、ファーストアルバムも素晴らしかったんですけれど、今作も良かったです。全方位にビルドアップしたような雰囲気があって、なんだか頼もしくなったなぁとか偉そうなことを思いながら聴きました。日本でガツっと売れそうな気がしないんですが(そもそも洋楽自体が苦戦中)、じわじわ支持が広がって来日してくれると嬉しいんですが。俺が知らない間にホステスのイベントとかにもう来てるのかもしれませんが、ひとまずフジロックで観たいー!と書いておきます、スマッシュさん!
16.Jamie xx / Loud Places (featuring Romy)
多くの方が今年のベストに入れていましたね、このアルバム。インストの曲も本当に電子音が心地いいんですけれども、ボーカルが入っているトラックがどれも良かったです。かなり楽しみにしてレコードを買ったんですけれども、裏切らない一枚でした。俺はベタに歌モノが好きなので、アルバムのなかでも一番歌ものっぽいこの曲をついついプレイリストに加えてしまいました。それでも、歌のまわりで格好良い音がたくさん鳴っていて、それにも耳を傾けていますけれど。抜き差し上手いなぁなんてつぶやきながら。
17.Hot Chip / Love Is The Future
いやいや、ホットチップ好きですわ。そう書いてしまうと、それだけでコメントが終わってしまうんですけれども。笑。途中から入ってくるデ・ラ・ソウルのラップもまた良いんです。その昔、俺の大好きなTFCも昔、デ・ラ・ソウルと共演してましたけれど、好きなアーティストが繋がっていると嬉しいものです。
18.Hiatus Kaiyote / Fingerprints
オーストラリアのバンド。アフロアメリカンの音楽を参照/通過しながら、現代のフィーリングで鳴らしたクロスオーバーな音楽が最近は素晴らしいのですけれども、そういう文脈で出会った作品です。ジャズの新しいチャプターみたいな呼ばれ方もされていますけれど、最近の新しいジャズはとても格好良いです。PCでバラバラに分解して再構築したようなフレーズでも、簡単に弾いてしまう演奏者が増えたっていうこともあると思うんですけれども、人力とコンピューターの関わり合いて、面白いなと感心します。
19.Kurt Vile / Pretty Pimpin
これも歌詞を翻訳してみたんですけれども、哀れな自分に向けられたなんとも言えない味わいの詩でした(訳はコチラ)。音や楽曲について話すのはとっても楽しいと思うんです。例えば、この曲の冒頭からのレイナードスキナードみたいなリフについてとか、やっぱり言葉にしたくなる。で、まあ、洋楽を熱心に聴くひとにとっては歌詞とかどうでもいいなんていうことが多いと思うんですけれども、訳してみるとまた別の視点が立ち上がって楽しいです。こんなこと歌ってんのか!笑、みたいな。案外、音の割に大したこと歌ってなかったりして、その逆もあって、英語的な作詞技術についてはネイティヴではないから批評できないんですけれども、最近は何を歌っているのかについても気にして聴いています。
20.Bitter Water / The Oh Hellos
むちゃくちゃタイプのバンド。友人が「行ったこともないアメリカの田舎に行った気分になる」と評していましたけれど、俺もそんな気分になります。こういうアメリカのカントリーテイストの音楽、妙に好きなんですよね。どうしてかは分からないんですけれども、数年前から妙にグっとくるんです。2分くらいからコーラスワークに人数感出てくるところとかも、なぜだか惹かれるんです。日本人が持っている土着の宗教性にはない方法なんですけれど、こんな遠くの国で幸せな気分になっている俺がいるという。笑。音楽って面白いですよね。
つづく。