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11月20日。朝の5時にメキシコシティに到着。荷物を引き取ってから、市内に移動。メキシコシティは都会と呼ぶに相応しい、大きな街だった。
ホテルにチェックイン。朝食のチケットをもらったので、レストランで朝食を摂って部屋に戻ろうとすると、スーパーでビールを買ってきた建さんがフロントにいたので、一本奢ってもらった。部屋でグビリとビールを飲んでから仮眠。長旅の影響で身体が重く、ズーンと骨身を地底に引っ張られるような眠気に襲われて、少しの時間だったけれど深く眠った。
お昼に集合してランチへ。メンバーは皆、ランチをパスして寝るとのことだった。本来ならば、前日の午後にメキシコ入りして、ディナーにメキシコならではの料理を堪能するはずだった。が、飛行機が遅延したお陰で今朝の5時にメキシコに着くハメになり、しかもライブの後は午前3時に集合して日本に戻るスケジュールということで、夕食にはあまり期待できない。というわけで、このランチをぞんざいに扱うわけにはいかなかった。俺は気合で集合時間に間に合うように起きた。ランチは屋根のある中庭に大きな木が日よけのように植えられているオシャレなレストランだった。豚肉のリブと豆を煮たメキシコ料理と、スタッフが注文したサボテン料理を分けてもらって、少し食べた。とても美味しかった。
ホテルに歩いて戻ってから、少しだけメキシコ観光。独立記念塔のあたりをぐるっと車で回ってから、塔の下で記念撮影。また来る機会があったら、今度はもう少しゆっくり観光してみたい。メキシコシティは霧なのか排ガスなのか、やや空気が白んでいて見通しが悪かった。2000メートル以上の高地ということで空気は乾燥していて、霧というよりはやっぱり排ガスなんじゃなかろうかと思ったのかけれども、現地スタッフ曰く「最近はなんだか霧んかかるもんでさぁ、遠くん見えんだよぉ(静岡弁)」とのこと。
メキシコシティは言われているほど、治安が悪い感じがしなかった。これはすべての南米の都市に言えることで、日本で散々脅かされてから訪れたからかもしれないけれど、歩いている側から犯罪に合うような治安の悪さではなかった。まあ、俺たちは表玄関から入って都市の表の顔しか見ていないわけで、もちろん行ったらいけない場所はあるのだろうけれど、普通に街中を散歩している分には、前もって聞かされていたような雰囲気は感じられなかった。潔が言うには「iPhoneをイジっているだけでさらわれる」ということだったので、俺は正直に言ってかなりビビっていたのだ。肩すかしを食らったような気分だったけれど、逆に、危機感に対するハードルを上げてもらったからこそ、そういう現場には居合わせずに、なおかつ「案外、楽しいじゃん」という気分でいられたのかもしれない。
ライブハウスはとても大きかった。ゼップダイバーシティくらいの大きさ。そういう会場が海外でソールドアウトするということに驚いた。会場をパンパンにするメキシコ人たち(もちろん日本人を含めて別の国のひとが居合わせただろうけれど)。簡単には信じられない光景だった。待ち望んでくれていたことが伝わってくるような熱狂に心の奥が震えるような、とても良い夜だった。
終演後はホテル近くのレストランへ。現地スタッフが気を使ってくれたらしく日本食料理店だった。けれども、俺たちが待ち望んでいたのは本格的なメキシカンだったわけで...。スカパラの先輩たちから「ノースパイシーって伝えても辛いよ〜!」という話を目一杯聞かされていたので、「いやいや、とは言えそこまで辛くは...ないで...しょ...辛ぁ〜!!!」とかやりたかったのですが、枝豆などを食べました。テキーラと全く合わなかったけれど、現地スタッフの優しさが沁みました。
メキシカンは次回に食べるということを心に誓って、午前3時のホテルロビー集合に向けて就寝。