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11月9日。ロンドン現地オフ。メンバーはストーンヘンジとウィンザー城で迷っていたけれども、相談の結果、ウィンザー城を攻めるとのこと。ストーンヘンジはコミック『キン肉マン』によると超人パワーが得られる聖地のような場所なので、超人パワーを獲得しに行ってはどうかとアドバイスしてみたけれど、城に目がない三人組はそれを却下して、比較的近いウィンザー城へ向かった。
俺は前回のツアーで体調を崩したロンドンを今回のツアーの鬼門と考えていたので、メンバーの観光には同行せずに軽めのロンドン観光をキメることにした。まずはふらっと大英博物館へ。世界中の珍品、美術品、宝物などが展示されていたけれども、盗掘や窃盗、略奪されたものがほとんどだろうと想像して、なんだかあまり楽しめなかった。メソポタミアのあたりは良かったけれども、エジプトのミイラなどが展示されているあたりでは「ドロボー!」と声を上げたくなった。自分の墓が数千年後に暴かれて、どこかの国にドヤ顔で展示されているかと思うと、微妙な気分になる。
あとは市内を適当にプラプラ。地下鉄にも乗った。アイ・ウェイウェイという中国人の作家のエキシビジョンがとても良かった。彼は中国政府の表現に対する規制や嫌がらせに抗いながら、それでも郷土への愛情のこもった作品を作り続けている。兎角、反政府的な言動について「愛国的ではない」というようなレッテルが貼られることが多いけれども、郷土を愛するがゆえに辛辣な表現を選ぶという愛情表現もあるのだ。芸術は純粋芸術だけではないということだ。中国政府への気遣いから日本では自粛されるであろう展示もイギリスでは可能であるとのこと。こういう違いも興味深かった。あと、海外の美術館は撮影がOKなところが多くて、面白い。日本の場合はもれなく撮影禁止なので。
レコード屋へも立ち寄った。オアシスの『モーニンググローリー』のジャケットになっているあたりの通りは布屋街でもあるらしく、偶然にボタン屋を見つけたので、ドイツで落とした皮のくるみボタンを購入。ボタンがひとつなくなったコートは不恰好なうえに寒かったので、ボタン屋が見つかってとても嬉しかった。予備用にひとつ余分に買った。
メンバーがロンドンに戻って食事ということで、合流。前に行ったことのある店だった。ビールを何杯か飲んでこの日は就寝。
ロンドンの街は雰囲気があって、ズルいなぁと思ってしまった。そして、なんとなく、散歩中はブラーの曲が脳内で流れていた。彼らの独特なメランコリックなアルペジオやメロディがとてもしっくりくるように感じた。例えば「clover over dover」のイントロとか。この街に住んでこそ、ああいった雰囲気の曲が書けるのだろうと納得した。