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11月6日。ケルン2日目。英語の場合はコロンと発音しないと伝わらないので、ドイツの地名は難しいところです。Twitterで「お前の発音ちゃうねん!」と突っ込んでくる人たちからの情報によると(便利かつ面倒な時代です)「ケルン」でも「コロン」でも微妙に違うらしく、なんかその間、冷静と情熱の間、みたいな難しい場所にあるそうなので、今回はケルンと表記します、北京をベイジンと書かないように。
とりあえず、朝散歩。俺は地井武男の「チイ散歩」に習って「ゴッ散歩」と呼んでいる。まあ、ただの散歩だけども。前回入れなかったケルン大聖堂に。外国にかぶれた俺は「オウサム!!」を連発。鳥肌の立つような建物だった。経年劣化によって味の滲み出た外観も乙ではあるけれど、内装がとにかく素晴らしかった。宗教のことを悪くいう人は多いけれども、敬虔な信仰心はこうも美しい造形を成し遂げるのかと、感嘆した。音楽でも、優れた宗教音楽がたくさんある。我々のやっているようなポップミュージックにも、無宗教ながら信仰のようなフィーリングが存在しているように感じることが多い。たとえば、音楽の神様みたいなものを捏造するように。アートというのは、ある種の捧げ物であることは間違いないと思う。
さて、この日は1日現地オフ。メンバーは観光へ。前回のドイツでの休日でも行ったライン川下りを堪能するとのこと。まったく芸のない人たちだと思う。京都でも鴨川を下るんだろうし、日光では鬼怒川を下るような人たちなので仕方ない。楽しんで。と、いうことで俺はスタジオへ。NADA SURFのマシューと作業。とてもスウィートな時間だった。彼は本当に優しい。
作業後はなんと!!ケルンでライブのあるフーファイターズのライブへ!!チケットをなんとかゲット!!!興奮を抑えながらケルンの駅のあたりまで出て、むちゃくちゃ美味いソーセージを食べた。カレーソースをかけたソーセージで、これが日本人のカレー好きな魂を揺さぶるようなカレーソースで、とても美味だった。付け合わせのポテトが膨大であったけれども。
そして、マシュー、メンバーらとフーファイターズのライブへ。ステージに向かって右サイド、中段くらいのスタンド席だったんだけれども、周りが酔っ払いだらけ。酔っ払いと高校生とかを含む家族連れって感じで、日本のライブとかで感じるよりは年齢層が広かったように感じた。とにかく、観客がエネルギッシュ。酔っ払ってるのもあるんだろうけれども。とにかく歓声が大きいし、皆、歌う。でも、アルバムの地味な曲とか初期の曲では静かになって、結構正直なところもあった。そういうの、良いと思う。なんもかんも盛り上がるのもなんだろうし。みんな自由で良い。アリーナはオールスタンディングで、なんと、柵がない。マナーが良いとか日本は言われるけれど、こういうコンサートでの自律性は欧米のほうが高いのかなと感じた。だって、数千人がフロアにいても、前に押すな!的なトラブルがない。将棋倒しがおきない。そういうところはすごいなと感心した。
フーファイターズのライブはとても面白かった。音はデカいアリーナなので、なんというかグチャグチャだったけれど。よきところで静かにして、セッションからのドカーン!みたいな構成が多かったので、もう少しストレートに演奏して欲しいところもあったけれど、サービス満点のステージで観客は皆満足したように思う。ちょっと長かったけれど、力技で、これぞ世界を代表するロックバンドという3時間弱だった。もうしばらくロックはいいですわというくらい、ロックの胃袋がパンパンになった。充実。
ホテル近くまで戻って、皆で飲酒。フーファイターズのライブの感想などを肴に小一時間。観光客向けというよりはローカルっぽい店で飲んだんだけれども、ちょっと接客のアタリが強くて、むー、となる。ケルンでは東洋人しかいない奥まった座席に通されることが何度かあるのだけれど、それはどういう意味があるのかとても不思議だ。欧米人が、ガヤーっと盛り上がっている一角と離れた、閑散とした席に通されることがある。周りには我々と中国人とか。無用なトラブルを避けてという意味だといいのだけれども。どうなのかな。
しかし、大聖堂は美しいなぁ。差別も区別もなく美しいと思う人間に対して、開かれた美しさなのがいい。