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この日は大阪と神戸のラジオに出てから、イラストレーターの中村君と会食。くだらないことから、真面目なことまで、いろいろなことを話した。実はふたりっきりで遊ぶのは初めて。笑。
知っているひとも、え!?というひともいると思うのだけど、今回のアルバム『Wonder Future』のジャケットは真っ白。ちなみに『Eastar』は真っ黒でした。ともにエンボス加工の凹凸で作品名とバンド名が型押しされているだけで、何も描かれていません。
店頭の特典はペン。店によって色が違います。基本は緑です。
今回のアルバムは、それぞれに『Wonder Future』を描いて欲しいというコンセプトなんです。だから、ジャケットは真っ白にしました。僕らがタイトルとバンド名を凹ませている/刻印のようにしているのも、似たような意味です。翻って、『Easter』が黒のジャケットでバンド名などが凸っと盛り上がっているのは、墓標をイメージしました。復活ですから。
これについては賛否があって、やっぱり中村君のジャケットがいい!というひとが多いことも分かっています。僕も中村君の大ファンですから、彼に描いて欲しいという気持ちももちろんあります。関係をバスっと切ったというわけではありませんから。この日も、今後の話をいろいろしましたし。僕にとっても、アジカンにとっても彼はかけがえのない存在です。
ほいで、俺はズルい。一人称が急に僕から俺になったけれども、そういうところを含めて俺はズルい。
ので、飯の場でペンを差し出し、あろうことか中村君に「俺のはやっぱり中村君に描いて欲しいのよね」とか言って、描いてもらったのでありました。メンバーからも「ズルい!俺が欲しいくらいだ!」と非難を浴びました。笑。この日記を読んでいる皆さんからも「このクソメガネ!」と雑言を浴びせられるかもしれません。
このジャケットの「白さ」はツアーにも引き続いていきます。アルバムのなかに描かれた「街」。真っ白なキャンバスに描くように、現実ではない街を僕は作品内に立ち上げたのですけれども、それを現実とリンクさせていくっていうイメージですね。ツアーに限らず、作品自体がそういうコンセプトになっています。多くの部分を受け手、リスナーに委ねている作品でもあります。そんな想いも込めて、真っ白なキャンパスを選びました。中村君の作品以外の何かにするっていう選択ではなかったんです。ちょっとややこしい言い回しですけれども、白には意味があるんです。
というわけで、『Wonder Future』をよろしくお願いします。
中村君との、今回のジャケット制作におけるあらましは、ふたりで相談して、時間を空けてから「あの時はこうだった!」という後日談をいつか公開しようということになりました。なので、しばらくは、「今回なんで中村君じゃないんだよ!」みたいな想いは一旦飲み込んでいただいて、バイアスなく作品に触れていただけたら幸いです。
「でも許せん!後藤のバカ!ど阿呆!!暴君!」というお叱りは受け入れます。全面的に責任を負いたいと思っております。楽しみにしてくれた皆さんには申し訳ない。私宛にお投げくださいませ。
でも、本当に、真っ直ぐに作品が届くことを祈っております。
追伸。中村君が選んでくれた店はとっても美味しかったんですけれども、今にも潰れそうな客の入りでした。本人も「僕は食に興味がないから、どこでもよくて、この店が前来たときも空いてて心配だったからここにしたねん」と言っていました。本当に、まったく食に興味がないのだと。俺がクリケットに興味がまったくないのと同じ質感で、食に興味がない、みたいな状況らしいです。クリケットの部分は将棋でも囲碁でも、あるいは星座とか、占いとか、まあそれぞれが素通りするくらい興味のないものを選んでもらって、それと入れ替えてもらえると理解が早いと思います。相変わらず、ぶっちぎりで面白かったです、中村君。
5月21日。