取材。『Wonder Future』について、いろいろなメディアの取材を受けている。音楽について語ることってとても難しい。まあ、そして、世の中の人たちがそういう文章を読みたいとおもっているのかもよく分からない。それでも、こうして、インタビュアーを前にしていろいろ語ってしまうのは、音楽そのもので伝えたいこととは別に伝えたいこともあるし、作った音楽のことも理解してほしいからだと思う。

　まあ、言葉なんかを重ねないでよろしいとすべての取材を断るひとなんかの表現は、とても潔いものなのだろう。けれども、俺が作っているのはそういう純粋芸術みたいなものではなくて、プロセスとか文脈とかも含んでいるコンテンポラリーアートの側面もあるので、言葉による解説が必要になってくる。なんかブワーっと感情のままに筆をとって、鑑賞する側もそれに呼応して「なんかええね」とかいうものではない。音楽なので、そういう側面も含んでいるけれども。

　ある種の、文化の流れの中で、イマココに着地していること。そういう事実にも意味がある。どこからやってきて、どこへ行くのかということも、大事なのだ。音楽に対する批評ってのは、もしかしたら死んでしまっているのかもしれないけれども、やっぱりそれはちゃんとされるべきだし、俺自身も、する必要がある。

　そう考えているので、友人の音楽もガチ聴きしてしまう。求められてもいないのに、ガチンコの感想を返してしまう、悪い癖がある。煙たがられていないか心配だ。5月15日。