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寺尾紗穂さんのお誘いで『りんりんフェス』に出演。これは『BIG ISSUE』というホームレス状態の方などの支援活動を行っている雑誌をサポートするためのイベントだ。雑誌を販売する仕事を作り出すことで、それ自体が自立支援になる、そういうラディカルな雑誌なわけです。現在発売中の号は俺が表紙なので是非!とはいえ、既にバックナンバー行きかも。詳しくはコチラ。
ずらっと並んだ表紙は壮観。この中に俺かぁっていう。笑。
ライブはとても暖かい雰囲気で行えました。会場も楽屋裏もとても素敵な雰囲気で、とても素晴らしかったです。
貧困の問題は常に、時代を問わず存在します。まあ、日本の民俗史なんかを読んだらば、もう本当に酷くて絶句する。近代までは貧しい人のほうが多かったんです。でも、高度経済成長で、所謂一億総中流みたいな比較的幸せな時代がやってきました。そういう中でも貧困の問題は常にあったんでしょうけれども(ここではこの部分割愛します。すみません)、ここにきて、「格差社会」という言葉をよく耳にするようになりました。一度貧困状態に陥ると、なかなか抜け出すことができない、そんな時代になっているんですね。親の経済状態によって教育の水準にバラつきが出て、それが後の経済的な状況に影響を及ぼす。つまり、親が裕福な人しか高水準の教育を受けられないというわけです。頑張れば学校なんてどこでも行けるだろうなんて思うひとがいるかもしれませんが、勉学の時間を家計を支える労働に割かなければいけない人だっているんですよ。どう考えてもフェアじゃない。
で、こういう状況が国家にもたらす損失って大きいんです。どういう場所からどういう才能や人材が出て来るのかは分かりません。だから、どこからでも出てこられるようにしておくこと、が、どう考えても国家の利益になりますから。
何がフェア、この場合は公正であるかについては、常に論議によってアップデートが必要です。現在は、「それは市場原理が決める」とでも言わんばかり。ある種の競争は必要かもしれないです。でも、様々な状況で生まれて来る子供たちが、なるべく近しい状況で、ある一定のところまでの機会が均等である必要はあると思います。個人の資質を発揮するまでに、なるべく社会がバイアスを用意しないうほうが好ましいと考えています。口で言うほど簡単ではないんですけれども、誤解を覚悟で要約すると、金持ってるヤツらが機会も何もかも独占するなんておかしい、ってことです。スタートラインが違うんじゃ、そもそも競争ですらないじゃないかと思うわけです。
で、失敗する人、上手くいかないひと、そういうひとに対して弾力的な社会であること。受け止めて、再出発を促す包容力があること。そういう社会を俺は望みます。失敗したら終わり、みたいな社会で、何か新しいものが光り輝く機会は失われていきますから。それだって、この国の利益にはならないと思うのです。国、国、うるせえって感じだけど、同じ船に乗ってるんだから仕方ない。衰弱する者を海に蹴落としたり、溺れる者を無視してグイグイ進む、一等船室には金持ちたちがふんぞり返っている、そんな船に乗りたい人なんていないでしょう。
あだち君や三輪さんとも会えたし、いい一日だった。もっといろいろ考えたい。俺になにができるかしら。12月7日。