Gotch Band スタジオコースト
カテゴリ:日記

 

 この日はリチウムというファッションブランド(ニルヴァーナが好きなんだろうか)のイベントでスタジオコースト。とても楽しく演奏できた。

 

 

 Gotch Bandは皆忙しいので、なかなか集まることができない。だから、こうして機会をいただけるのが心底嬉しい。本当に感謝している。

 

 まあ、アジカンともなれば、メンバーは何よりもアジカン最優先なわけで(料理連載やジャムバンドなどにかまけているヤツもいるが。笑)、集合と言ったら集合なのだコノヤロウ!という力学によって、俺もピューっとどこでも飛んでいくわけです。でも、ソロとなるとそうはいかなくて、いろいろな活動を持つメンバーのスケジュールをどうにか調整しなければならない。何か本業とも呼ぶべき活動の繁忙期となると、メンタルなんかも考慮して誘えなくなることもあるかもしれない。そう考えると、Gotch Bandはとても楽しいけれども、永遠は約束されていないのです。アジカンも永遠は約束されていないけれども、それと比べたって、毎日べったり一緒にいて音楽を作ったりはできない。

 

 まあ、だからこそ、ありがたい。楽しい。一分一秒も無駄にしたくないって気持ちになるのね。会場が盛り上がってるとか盛り上がってないとか、そういうことを気にするよりも、あと何回こうして楽しい時間を持つことができるか全く分からないことに対して奉仕しないとバチがあたる、もったいないと俺は思うのです。だから、全力で楽しむ。本来は、アジカンだって人生だってそういうものかもしれない。そんなことをGotch Bandでは考えてしまう。

 

 

 仲間たちとパシャリ。写真は太田好治さんに撮影してもらった。とても素晴らしい写真だったので、太田さんに連絡して大きめにプリントアウトしてもらうことにした。額に入れて飾るのだ(ちなみにアジカンの写真も額装で持ってる。笑)。

 

 40歳も近づいてきて、なんというか、「アジカンだけやってよ」みたいな声も分かるんだけれど、俺はいろいろなことがしてみたい。後藤正文という人間は当たり前だけれども、アジカンとイコールではなくて、いろいろな面がある。音楽産業っていうのは、そういうバンド名とかと結びついている偶像性を長い間売り物にしながら発展してきたんだと思う。俺は俺のプライベートを切り売りしてきたつもりはないけれども、どこかでそういうシステムに乗っていたことは否めない。ずっと、音楽だけを聴いて評価して欲しいという気持ちは持っているけれども。そういうロックスターの偶像性を殺そうとして、誰よりもそういう偶像性に捕われてしまったうちのひとりだとも思うしね。

 

 でも、俺はもう、あと20年かそこらの人生は、自分のために音楽をやりたい。それが、誰かの喜びとかに繋がったら最高だけれども。

 

 誤解のないように書けば、これまでだって自分のために音楽をやってきたんだけど。だからまあ、変わらないのか。笑。でもさ、アジカンは、最早、みんなのものだ。もともと俺のもんだけではないけれどね。まあ、ちょっと気楽にハンドリングしたいんだ(手を離してもいいくらい)。アクセルはガチンコで踏むけれども。笑。そんなフィーリングでやってるの、最近は。

 

 というわけで、俺は楽しい。音楽をするのが楽しい。プロデュースもソロもアジカンも楽しい。壁に打ち当たることがないっていうのとは別なんだけれどもね。産みの苦しみをひっくるめて、楽しい。で、楽しかったといいながら死にたい。なので、ちゃんと老いてゆく必要がある。とつぜんジジイになるんじゃなくて、俺はジジイになりながら、歩みに合った音楽をしたいの。

 

 そんな感じで、いい一日だった。11月23日。

 

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