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泣いても笑っても喚いても、ソロツアーは終わってしまう。終わらせない方法としては歌わない、という手段がある。この場合は延期にすることで終わらせないようにしようとしているわけだけれども、それにスタッフやメンバーが付き合ってくれるとも限らない。呆れられてしまうという可能性もある。なので、歌わないという選択肢は最初に潰えたのだった。むしろ過度な気合いでもって、歌ってやるのだ、と、会場入り。
非常に引き締まった、かつ余裕のある、十代の膝軟骨のあたりの筋肉とヒアルロン酸、のようなリハーサルを経て、本番。の前に、素晴らしいケータリング弁当。
むちゃんこ美味い。
開演。そして、岩崎愛。最近の彼女は素晴らしい。何か、質実剛健というか、無駄のない骨と肉、というような表現になってきたように思う。照れ、みたなものが以前の彼女にはいくらか残ってた。それは卑屈さとセットで、どこかにその卑屈さを隠すためのオブラートとして、私は照れている、ということが自然と発動してしまう、濁してしまう、みたいな様子があるように勝手に感じていた。俺は。でも、そういうのが削ぎ落ちて、歌そのもの、みたいな、覚悟を衣服のようにまとった凛とした雰囲気が最近の岩崎愛にはある。圧倒される。むちゃくちゃとんがってる。が、人を拒まないしなやかさもある。これは彼女本来のものだ。うむ。活躍しておくれ、と思う。
まあ、このビデオではその、最近の素晴らしさは伝わらないけども。
で、我々。良い演奏だったと思う。ひとつのツアーを経て、いろいろな点が繋がって、有機的な何かになったということを実感した夜だった。終わってしまうことが増々悲しくなって、終演後の楽屋でダダを捏ねて「ここから一歩も動かない」と感情を発露させてみたいとも思ったけれども、そうすると次の日のファイナル公演がなくなってしまうので、やめておいた。平素を装って、ホテルに戻って、湯につかって就寝。
6月11日。