移動日 広島〜福岡
カテゴリ:日記

 

 この日は移動日。朝は早起きをして、平和記念公園へ。

 

 

 記す、のが広島で、祈る、のが沖縄だ。記念と祈念。残すことと、達成を祈ること。公演の名前が少しだけ違うことが気になっていたけてど、どちらも大切だと思う。

 

 平和記念資料館は毎度のことだけれども、修学旅行生で長蛇の列だった。外国人の観光客も開館を待っていた。こうして広島に足を運んでくれることを、ありがたく思う。世界で人間に向かって原子爆弾が投下されたのは広島と長崎だけだ。それがいかに悲惨で、人道に反する行いなのか、俺は世界中の人に知って欲しいと思う。

 

 前に、TFCのノーマン・ブレイクと平和記念公園に来たことがある。彼と彼の家族は原爆ドームに向かって祈りを捧げてくれた。ナノムゲンサーキットで広島公演をするときには、帯同している海外バンドをこの地に案内もする。多少、刺激の強い場所かもしれないし、センシティブなミュージシャンはアテられてしまうこともあるかもしれない。でも、見て欲しいと俺は思う。俺らの国の被害を見てくれというよりは、人間の愚かしさを、文学的にはもう知ってることかもしれないけれど、目の当たりにして欲しいと思う。表現一般を担っている人ならば、尚更、だ。

 

 原爆死没者追悼平和祈念館はいつも、ほとんど人がいない。ホールの中に静かに響く、水の流れる音を聴きながら、いろいろなことを考える。そして、毎度、その後で当時の資料をランダムに検索して読み、直視できずに肩のあたりから見えない手を魂に突っ込まれて腰のあたりから地面に向かって水平に引っ張られたような重さを抱えて、トボトボと広島の街を歩いてホテルまで戻る。毎度だ。

 

 ステレオレコードに寄ってから、新幹線で福岡へ。大飯原発再稼働差し止めの、判決文をプリントアウトして読む。何度読んでも素晴らしい。ので、コピペする。音読して下さい。

 

 

 

「他方、被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。

 また、被告は、原子力発電所の稼動がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。」

 

 福岡では散歩。気になる佇まいの書店を発見したので入ってみた。諸外国を愚弄したり、ありもしない美しさをでっちあげて自己陶酔するような本が置かれていない、とても好感の持てる書棚だった。谷川俊太郎さんの本を購入。

 

 

 大相撲を観ながら、うたた寝してから、皆でラーメン。カンジのオススメ、冨ちゃんラーメンへ。多分、生まれてはじめて替え玉を注文したと思う。とても美味しかった。が、遠い。笑い。タクシーで行ったのだけれど、往復で4000円。一人頭1000円がラーメン代に加算。まあでも、それを差し引いても、行って良かったと思える美味しさだった。

 

 

 そんなこんなでツアーは続く。5月23日。

2014-05-23 1400805420
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