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新しいアルバム『Can't Be Forever Young』のレコード盤が届いてテンションがMAXに上がった。本当に、こうして現物が届くと作品を作ったのだと言う実感が湧く。
まあ、その、音楽を録音してミックスが完了した時点で完成なんじゃないの?と言われれば、そうだとも言えるけれど、レコードやCDっていうのはジャケットを含めて、いろいろな技術や才能が集結したアートなのだと俺は思っている。中身の音楽だけの話ではなくて、全部ひっくるめて、レコードやCDというアートフォーマットなのだと考えているのだ。例えば、レコードを作るのには溝を掘る職人の技術も必要で、それも作品の一部だと考えている。関わったすべての人の行為が集まって、レコードとして表出している。
それを実感できるのは、パッケージされた作品を手にしたときだよね。
だから、音楽はデータだけで良いなんて思わない。もちろん、データの良いところもある。ひるがえって、じゃあCDのすべてがそういうところまで意識して作られているかといったら、そうとも言えない。これは愛がないわぁっていうパッケージもあったりする。でも俺は、俺と仲間たちは、こだわってレコードやCDという作品を作っている。それはこれからも続けて行くつもりだ。たとえ世の中がデータを望んだとしてもね。俺はレコードというアートフォーマットが好きだ。ついでに、バンドというアートフォーマットも愛している。
そして、アルバムのトレイラーも完成。
店頭にならぶのが楽しみだ。人の手から手へと渡っていくことも、レコードやCDの、モノとしての魅力のひとつ。ダイレクトなことも素晴らしいけれど、誰かのパスなくしては成立しない行為についても、人間らしくて良いなと思う。いいじゃないか面倒くさくたって。なんでもかんでも効率良いことが正義じゃない。プロセスはとても大事だからね。音楽を作るときだってプロセスはとても大事だ。そこに魂が宿る。こともある。
どこかの誰かが町に出て、レコードショップに入ってレコードを買い、家に帰って針を落とす。そこには「魂」と呼んじゃうとちょっと重いけれど、音楽の魔法を少しだけ強くするような何かが絶対に宿っていると思う。田舎出身の俺からすると、都会ってズルいっていう気持ちがあるけれど、俺は東京に出てレコード屋でいろいろ買うまでの長い長い不平等感によって、たどり着いたときの達成感というか開放感がものすごく膨らんだタイプの人間だ。自分で音楽を初めてしまうほど、すごい魔法にかかったんだよね。えへへ。
4月3日。