2003年 | 2004年 | 2005年 |
2006年 | 2007年 | 2008年 |
2009年 | 2010年 | 2011年 |
2012年 | 2013年 | 2014年 |
2015年 | 2016年 | 2017年 |
というわけで、グッドトラックは最終回です。これで完結。最後まで付き合ってくれてありがとう。気に入った曲があったら、そこから拾って拡げてみて下さい。そうやってちょっとずつ、自分で踏み出して探していくと、なんていうんですかね、知的好奇心みたいなものを音楽にも持つようになるんですね。そうすると、もう止まらなくなってしまって、こっちの病棟へようこそ!って感じになるんです。笑。音楽病棟。あはは。そしたら、もう仲間ですわ。あの新譜聴いた?なんて言い合ったりして、ね。ゴッチ、あの音源聴いてないのか、とか、今更かよ、みたいな意地悪を言うようになるかもですね。笑。まあ、そういうのもアリ!
と、いうわけで、どうぞ。
Hold On, We're Going Home (feat. Majid Jordan) / Drake
ドレイクの新譜から。しっとりしたラブソングですね。シンセベースとキックがひたすら気持ち良いんですけれど、声もまた良いんですね。アメリカのメインストリームのポップミュージックの質の高さが羨ましいです。
From Time (feat. Jhene Aiko) / Drake
この曲もドレイクの新譜から。これはノスタルジックな歌詞なのかな。曲調も内省的で哀愁が漂っているような感じがします。イケイケで俺様の武勇伝及び現役っぷりを開陳するぜって感じではないのが、不思議っていうか、良いですね。
おいで / Yeye
弾語りで聴いたときから好きな曲。「いっきなさいよ〜」ってところがツボです。こういう言葉のチョイスってなかなかできないですよね。違和感もないですし。途中でテンポを落として始まる展開のところも良いですよね。重なってくるノイズや遠くで鳴るリズムセクションも素晴らしい。YeYeも欧米のインディマナーをモノマネじゃない感じで落とし込んでいるところが好きです。
ビデオなし
Easy Easy / King Krule
これで10代だっていうんだからすごい。ぼっこい男の子なんですけれどね、見た目。でも、曲が始まって、声を聴いたら引き込まれます。アルバム全体を通して、HIP HOPのフィーリングがあるのも良かった。あと、アメリカのテレビ番組に出た動画を観たんですけれど、ロンドンの空みたな曇った色調の超地味な衣装っつうか普段着で出て、ヨレッヨレの演奏で歌っていたところにもグっと来ました。そうでなくっちゃ、ね。
Nothing Comes To Nothing / Babyshambles
ピート・ドーハティのこのセクシーさはなんなのでしょう。ジャンキーだし、バンドメンバーの家に泥棒に入ったりした過去もあってどうしようもないんですけれど、とにかく破壊的なほど魅力的なんですよ、彼。まあ、良い音楽かどうかにとって、その演奏者の人間性がどうかなんてなんの関係もないんですけれど。しかも、僕らの小さい道徳心なんかでしょう、その物差しって。笑。もうなんつうの、ピートがピートであるだけで、それでいいやって思うくらキラッキラした曲。来日は厳しいけれど、いつか観たい。
Porno / Arcade Fire
前作がもうアメリカ!って感じの、濃厚なアメリカ汁(彼らはカナダのバンドだけど)を飲まされた気がして辟易としてしまったんですけれど、今作はDFAのジェームスのプロデュースで前作よりもユーモアのある音作りだと思います。俺はこっちのほうが好みです。歌詞はどうなんでしょう、神話なんかを引用しながら、なんかいろいろ説いて聞かせるような感じなんでしょうか。示唆的というか。もっとふざけて欲しい気もしますが、きっと彼らはこのまま一直線な気もします。しかし、日本で観たい。
Beta Love / Ra Ra Riot
軽めのチェンバーポップから一皮剥けて、シンセサイザーを大胆に導入した意欲作ですね。しかも、大成功。メンバーの脱退はありましたけれど、出来ることがどんどん増えて、逞しいバンドになっています。ベースのマットのプレイが最高なので、アルバムを通して確認してみて下さい。ライブでもね、本当に良いんですよ。
Wanna Be Heard / Kendrick Lamar
安心のケンドリック・ラマーという感じです。カニエ先輩の新作はバッキバキ過ぎて?マークがいくつか最初は点灯しましたけれど、彼のラップはすごく馴染みやすいです。あと、俺、こういう古いレコードっぽいネタをサンプリングした曲が好きなんですね。カニエ先輩で言うと『Late Registration』とか。そういう意味で、もうツボのど真ん中です、この曲。
Blood Red Youth / California Wives
彼らがどこの誰かも知らないし、気づいたらCDの棚のところに置いてあって、これいつ買ったっけなぁなんて思ってプレイヤーに入れてその1曲目でヤラれました。何がっつうわけではないんですけれど、オーセンティックで好きです。というか、俺はもう変に新しいものよりも、この情報の海のなかでしっかりとその人たちらしいサウンドでどこかにフックのある曲を書いている人たちが好き。それって新しいことと同じくらい大事なことだと思う。
Bound 2 / Kanye West
カニエ先輩の新譜より。まああの、カニエ先輩、俺の1コ下なんですけれどね。笑。俺が中3のとき、カニエは中2。敬語使ってくれないだろうなぁっていう。笑。もう、ビデオがクソですね。忙しかったのかな?っていう。あはは。でも、これからもブッチギリで最先端を歩き続けて欲しいです。
そんな感じで2013年のグッドトラックでした。皆さんの音楽ライフはどうでしたか?俺は今年、まあ、自分のソロの制作やら、ドクターダウナーとシェフクックスミーのプロデュースやら、長谷川健一君の録音エンジニアやって、ヨーロッパとアジアをアジカンでツアーして、アジカンの10周年で50曲以上思い出したり、もう人の音楽聴いている暇がないくらい大変だったんですけれど、そんななかでも沢山の格好良い新譜に出会えました。豊作だったんじゃないですかね、今年は。いやいや、幸せでした。
来年は年明けからソロアルバムのミックスをシカゴでして、アジカンの撮影もあるし、制作も始まるし、バンドのプロデュースの話もあるし、どうやら今年と同じくらい忙しそうです。まあ、とにかく、レコーディングやライブの現場にいられるのって本当に幸せなので(だって俺はミュージシャンだから)、忙しいぶんには良いんですけれど。暇なら暇で、勝手に自分のスタジオでじゃんじゃん音源作るので、どっちにしろ音楽やってる限り俺は幸せなんだけど。笑。アウトプットはいくつもあるぜ!って感じで。
アジカンも来年はガッツリ新譜を作る予定です。もうね、ギッラギラのエモをもう一度やってみたいんですわ。アップテンポのうるさいヤツ。みんな『君繋』みたいなの作れ!って心の中で思ってると思うんですけれど、その期待を裏切ってさらに越えるようなものを。まあこれは、皆で構想を練っていますので、お楽しみに。俺はソロで、みんなが「それはソロでやれや!」ってアイデア(例えばHIP HOPへの憧憬だったり、USインディへのシンパシーだったり)をこれでもかと、笑、やって憑き物を落としたので、アジカンはヘルシーになっていくと思います。
と、いうことで、来年もよろしく。まあ、明日も日記書きますけれど。12月30日。