ソロアルバム。歌の録音。

　ゲストが誰も来ない部屋で歌の録音。寂しい。かと思いきや、アジカンでも歌のときはほとんど独りでスタジオで作業をしているので、実は慣れっこなのだ。いつから歌録りにメンバーが顔を出さなくなったのかは憶えていないのだけどれも、歌の録音は緊張感が高いしナーバスになることもあるので、自然と避けてくれているのかもしれない。何も作業のないひとからすると待ち時間が長いというのもある。だからコーラス録音などのときもケンちゃんやヤマちゃんは夕方くらいにやってくることが多い。飯だけ食って帰る日もある。笑。さっきスタジオで見かけたけれど今日は歌うところがないとみたのか帰ってしまったという日もある。一度、コーラスを歌うだけ歌ってチェックもせずに帰ろうとして怒られているふたりを見かけたこともある。それはさすがに、引いた。笑。だって大人(しかも友達でありメンバーでもある)が怒られているところなんてみたくないからね。あはは。

　録音は順調。リラックスして歌っている。が、コーラスパートが多いので大変。そして、自分で歌ったあとに気持ちを切り替えて、俺はレコード会社のディレクターになって自分の歌のセレクトを行う。「何テイク目のここが良い」みたいな判断を自分の歌に対してするのはなかなか難しくて、それは声が他ならぬ自分のものであるからだ。それが録音されたものであっても、「俺のここ良いなぁ」っていう作業にはナルシズムみたいなスイッチを少しは入れないといけなくて、普通に考えたらそういうスイッチの前には羞恥心というハードルがあって、まあそんなもんは遠の昔にぶっ壊したからこそステージに立っているわけだけれども、他人の歌のセレクトを行うより遥かに難しいのだ。まあ、やったけど。ね。

　完成は間近。11月19日。