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千葉の横田ファームにて行われた『わをん』という音楽フェスに参加。とても良い時間だった。
『わをん』というのは農業と音楽のフェスで、農チャージ1000円を会場で払って参加者たちは美味しい野菜を存分に食べたり、トラクターにまたがってドヤ顔で写真を撮影したり、ビニールハウスを見学できたりと、趣旨がちょっと変わっていて面白い。NOチャージなのかな、ドリンク代取られなくてうれしいな、だってライブハウスのビールとか発泡酒のときあるじゃんタココラ、というようなことを思いながら参加すると、NOではなくて農であることに衝撃を受けることになるので注意が必要だ。
ターンテーブルフィルムスからステージを観たけれども、どれも良かった。タンブルはアンサンブルとハーモニーが素晴らしかった。やってる音楽が京都はおろか日本の地面から発せられる土着的な匂いとは乖離しているので、お前らナニ人やねんというツッコミが心の中で毎度立ち上がって、格好良いんだけど毎度笑けてしまう。奇妙君の声が俺は好きだ。あんなスモーキーで太くてエネルギーの塊みたいな声を出してみたい。カムバックマイドーターズも良かった。音楽も大好きだけれど、彼らの佇まいが好きだ。エモい演奏もグっときた。
自分のステージが終わって一息ついていると、スタッフが来て「4曲目だそうです」と俺に言うではないか。俺は意味が全く分からなかった。何が?と思った。よくよく聞いてみると4曲目にレコーディングに俺が参加した「環状線は僕らを乗せて」という曲をやるので、マイクを持って出て行ってラップと歌唱をして来いということだった。リハーサルにも呼ばれておらず、寝耳に水だった。
まったく準備できていなかったので、俺は慌てて歌詞を思い出しながらステージ脇で小声で練習をしていた。シェフの本番もスタートした。すると、となりにタンブルの谷君がきてむっちゃくちゃフレンドリーに話しかけてきたのだった。俺は歌詞を思い出さねばいけないので、谷君ちょっとうるさいなと思ったのだけれども、俺は谷君が大好きなのであっちへ行けコラなどとぞんざいに扱うことができず、そのまま話し込みながらシェフのステージを観、結果大した準備も出来ぬままシモリョーに呼び込まれてしまった。そこにはレコーディング時には見たこともなかったドS顔のシモリョーがいたのだった。鼻の穴を膨らませながら恍惚、半イキみたいな顔でぶっ込み成功!という感じで悦に浸っていた。ぼ、暴君!と俺は思った。そしてイントロが始まり、俺はちょいちょいピッチなどやらかしてステージを後にしたのだった。世が世なら切腹していたかもしらん。
環状線は僕らを乗せて
その後、昇天したシモリョーとその仲間たちはお野菜パワーも手伝ってかとても生き生きとしたライブを行って、ステージ脇でとても感動した。だけれども、ああ、このひとらはもっと凄くなる可能性があるんだなぁとも感じた。広く、いろいろな人たちを巻き込むことのできる音楽だしバンドだと思う。迷わず行けよ!と思った。
終演後はイノマタとカンジと日曜日で閑散としているビジネス街で魚介を食って帰った。いい一日だった。11月17日。