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通販で買った烏賊の塩辛を解凍して酒肴にした。塩辛のパックの裏面に貼られた感熱紙のシールを見ると「烏賊、塩、酒、大豆」とのことだった。大豆をどのようい使ったのかはわからないが、ひとまず、あんまり余計なものは入れていないということだけは分かる。俺はこういう食べ物が好きだ。
スーパーに出かけると必ず裏面のシールを見、どんなものが添加されているのかをチェックするのが半分趣味になっているのだけれど、まあ大概のものはpHを調整したり保存を効かせるための薬品が入っている。それが直接健康にどうこうというのは薬品メーカーも十分なチェックを恐らくしているだろうから過度に怖がる必要はないのかもしれないけれど、知らないカタカナやそれと「酸」が合体した言葉とかをみると何だか凄いことになっているなと圧倒されてしまって、買うのは止そうということになる。
例えばピンクのハムはどうなんだろう。肉がこんなにピンクなわけがないと子供の頃から薄々感じてはいたけれど、なにしろハムやベーコンはとても美味しいのでまあいいかと食べていた。むしろ好んでいた。お歳暮などで塊のハムが送られて来たときには送り主をハム神様として末代まで祀りたい気持ちだったし、地元が同じ別所哲也がハムの人になっているのも誇らしいような気分であった。だけれど、年々、肉ってこんなにピンクかしらんという想いが心の中で膨らんでしまい、件のラベルを凝視する癖がついてからは、発色剤?はて?と買うのを忌避するようになってしまった。まあ、出されたら食べるけれども。
でも一切の添加物を否定するわけではなくて、その辺は難しい。ただもうなんつうか、俺の食い気のために保存料がガンガン放り込まれているのかと考えると、内在する欲求を恨むのみだ。遠方の珍味を自宅でいただきたいわぁ純米酒と一緒に、と思っている俺が阿呆なのだ。こういうものは例えば旬とか地理とかが関係してなかなか食うことができなかったけれど、誰かが工夫して食材が腐らないようにいろいろ実験して、現在のかたちに落ち着いているのだろう。いや、落ち着いてはいるわけでなくて、これからも改良されていくのだろう。ただ、その、遠くのおっ母さんにこの烏賊を食わせてやりたいみたいな気分も段々と「こっちのほうが作るの楽やん、儲かるやん」という気分に押されて、現在の添加物事情があるようにも感じる。
本当のところは知らんけれども。10月20日。