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スタジオの防音は金がかかる。そして、本格的にやればやるほど天井と地面の距離が狭まって、圧迫感が増してしまう。音楽スタジオといっても、そこらの部屋を借りて改築やリフォームをしてなどと安易にはできないのだ。例えば、前にアジカンの練習スタジオの内見で、居抜きの焼肉屋に行ったことがあったけれど、不動産屋の話では天井も床も30センチずつ防音するとのことだった。あまり天井の高くない場所だったので、それでは立って歩くことはできるが勢いあまってギターを振り上げたりしたら天井にヘッドが刺さるではないか、そう指摘すると、その通りだと不動産屋は言ったのだった。貸す気がなかったのだと思う。
まあ、俺も自分個人の作業場を持つにあたって、簡易的な防音は行った。ギターのアンプを置いているあたりとコンソール付近は壁と天井に防音のマットを業者に頼んで貼った。その他、反響音に対しては毛布や通販で買った防音マットなどを利用して、今のところ近所からの苦情もない。ギターが天井に刺さったりもしていない。
しかし、最近気づいたのは、上階で炊事洗濯などが行われていると、パイプを伝う水の音をマイクが拾ってしまうということだった。シャーとも言えぬ、キューとも言えぬ、なんとも言えない、水がパイプを流れる音としか言いようのない音を感度の良いマイクが拾ってしまう。特に昼時はマズい。弁当箱でも洗っているのか、ひっきりなしに水道が使われているのだ。どうしたら良いものか。
ただ、以前借りていた作業場は、上階が突然選挙事務所になったこともあり、その時は昼間は何もできなかった。「◯◯をよろしくお願いします!」とバイトのオバちゃんが一日中叫ぶため、その声がどうやっても録音されてしまうのだ。誰がそんな作品を聴いてくれるだろうか。ただでさえ政治性が過ぎると言われている昨今の俺であるからして、そうなった場合はついに選挙活動にも積極的に参加、特定候補の名前までサブリミナル的に録音するようになったのか。もうダメだ。昔のアジカンは良かったけれど、今のアジカンは嫌。脱原発だとかヘイトスピーチ反対だとか憲法改悪反対!だとか言っているけれど、バンドの総意なのかしら...。などとヤイノヤイノ言われてしまうかもしれない。
まあ、それに比べたら幾分マシだ。
そして大体がアレだ、バンド名で何かをするときはバンドの総意だぞ、アジカンは。『ランドマーク』の歌詞ですら「もっとドギツイことを書け」とメンバーは俺に指摘し、俺自身が「えー!!」と驚いたくらいだ。誤解してもらっては困る。防音と関係ないけれど。9月30日。