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ストレスを溜め込んだ場合、それを発散する術が食事しかない無趣味な男。心の奥底がキリキリとしたので、盛り方が有名なこってりラーメン屋をパクったような店へ行き、豚の汁と大量の麺の上に野菜をこれでもかと乗せてもらった食い物を、親の仇でも討つかのように早食いするわけだけれども、決まって次の日は腹の調子が悪い。食う前からそれは重々分かっているのだけれども、どうしても、たまに無性に食べたくなって、食べたそばから後悔する、毎度。しかし、後悔はするが、かき込んでいるときにはストレスが胃袋の中に押し込められていくように感じるのだ。やってやったぞ、と、そういう開放感がある。まああの、麺少なめで頼むけれども。
食うという行為は生に直結し、同時に死でもあって、この場合は死に向かっておもいっきりペダルを踏み込んでいるようなものだと思うのだけれども、どっこい、たまに食べに行くことをやめられない。まったく不思議な食い物だと思う。むっちゃ旨い、とか思ったはないし、むしろ、店内に入って「ブタ臭っ!!」とか思うことのほうが多い。食い終わった直後は「もうこういう店は卒業かな」と思うのだけれど、しばらくしたらまた行ってしまう。不思議な中毒性がある。9月26日。