「◯◯増し」に気をつけろ
カテゴリ:日記

 

 横浜で取材。ランドマークタワーの展望台に初めて登った。遠くで通り雨。ゲリラのような豪雨だろうか。なんだか東南アジアのどこかの国へ来て、スコールを眺めているような気分になった。

 

 

 そして整体へ行き「疲れがピークですね」という宣告を受け、さらにOTOTOYのUST番組にシェフクックスミーと出演。その後でラーメンをシモリョーと食った。

 

 

 ラーメンだけでは体に悪いと思ったので、ほうれん草を多めにトッピングしようと俺は考えた。なので、券売機で「ほうれん草増し」のボタンを押した。これでビタミンと鉄分は大丈夫だと安心して、俺は「固め、油少なめ」と店主に告げ、シモリョーと明日発売のアルバム『回転体』の話などをしながらラーメンを待った。

 

 ふと、店の奥に目をやると、丁度麺が茹で上がり、スープの中に分け入れられ、トッピングが乗せられるとこであった。チャーシュー(俺は大概の場合残すけれど)や海苔が盛られたあとに店員が何か緑の巨大な玉を絞り上げるようにして丸めてドンブリにブチ込むのが見えた。俺はまさかなと、なんだか嫌な予感がした。が、その嫌な予感は的中、もの凄い量のほうれん草がど真ん中に鎮座したラーメンが俺の目前にトン!と置かれたのであった。

 

 思えば、ほうれん草トッピングは150円という価格設定だった。俺はそれを量ではなくて質への対価だと判断した。つまり、ムッチャええほうれん草使ってるんやね、と思ったわけだ。ところが、それは量を表す150円だった。それに気づいたわけだが、時すでに遅し。ドンブリの中にはソフトボール3号球くらいのほうれん草が豚の汁を吸い上げている。そして、グングンとスープを薄め、冷ました。グ、ムムム。

 

 いつしか日本のラーメン屋業界における「増し」という意味が変わってしまった。これは率直にラーメン二郎の影響だろう。「増し」はもう、尋常じゃないくらい盛りますよ、という意味に近い。トッピングはトッピングなのだ。「増し」ではない、ということを俺は身を持って学んだのだ、この夜。ラーメンは普通に美味しかった。ほうれん草...。

 

「増し」に気をつけろ!!! 9月3日。

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