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スタジオの外の共有部分に蜘蛛が住みついている。ユウレイグモという種類らしい。信じられないくらい細い。骨と皮、昨今の人気モデル、といった体型ではあるけれど、鶴の恩返しよろしくある日突然人間に化けて出るならばもの凄いブスなのではないかと、俺は想像して恐ろしくなった。なので、特に構うこともなく、殺しも助けもせずに放っておいている。
よく見るとジグモに似た体調2cmくらいの蜘蛛も生息していた。階段下のコンクリートはツルッツルでとっかかりもないため、彼らはここから出て行くことが難しいだろうと思う。俺がもし羽虫か何かで、こんな蜘蛛地獄みたいな薄暗い地下の共有部分に迷い込んだとしたならば、小便をチビって気絶、そのまま体液を吸われるかバリバリと外骨格ごと食べ尽くされるかして死んでしまうだろう。どうか、その、蜘蛛に食われてるときってむっちゃ気持ちええ、昇天するような想いなんよ、ということがあってほしい。痛点がないのでむしろ気持ちいい、そういう事実が補食される側にあることを望む。うむ。
7月12日。