NANO-MUGEN 出演バンド紹介 「岩崎愛」
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 今回は「岩崎愛」を紹介します。

 

 彼女と出会ったのは『HINATABOCCO』という、ヒナッチが仲間を集めてはじめた復興支援イベントです。確かO-WESTでのイベントだったと思うのですが(もしかしたら、リハーサルスタジオで聞いたのかも)、それぞれ一曲ずつ自分の曲を演奏するということになって、岩崎愛は「東京LIFE」を演奏することになったんですね。これがムチャクチャ良い曲だったんです。

 

東京LIFE

 

 俺は凄く感動して、「音源あったら欲しい」と岩崎愛に伝えたんです。すると「ない」という回答でした。どこのレーベルとも契約がないし、最近は自主制作でやっているとも。俺はこんなに良い歌を歌うひとがどこのレーベルとも契約がない、つまり音源を世に広める機会を得ていないのはおかしいと思って、「じゃあ、一緒に音源をつくろうか」と弱めのオファーを出したんですね。そしたらば岩崎愛がそのチャンスに食いつきまして、スッポンのように噛み付いて離さないわけです。逃してなるものか!と、デモ音源をやたら送りつけてくるという攻撃が始まりまして、まあ、また、そのどれもが良いっていうのもあって、僕のレーベルでアルバムを作りました。それが『東京LIFE』。

 

 録音のメンバーは、俺の直感として、HINATABOCCOのメンバーでやるのが良いと思ったんです。こうして、震災後の不安のなかで集ったミュージシャンの、そういう音楽への愛や被災地支援の想いを、別の形で残しておくのも良いなと思ったんです。だから、ベースはヒナッチ、ギターはマサ(ハイエイタス、フルクスラッチ)と荒井君(バンドアパート)、ドラムはマシータ(色々やってる)さん、キーボードはシモリョー、そういうバンドメンバーで録音しました。とても楽しい録音でした。俺は曲のイメージや楽器の構成をある程度まとめて、メンバーにアレンジのザックリとした要望を出して、あとは現場で冗談を言ったりしていました。テイク選びも。

 

 ほとんど日にちがなくて、かなりタイトなスケジュールでの録音だったのですが、さすがですね、このメンバーのアレンジの早さには驚きました。質も高いし。「こんな感じ」っていう俺の注文が何倍にもなって返ってうるというか。なので、本当に、とても充実したレコーディングでした。

 

ALL RIGHT

 

 これはカウントダウンジャパンのライブ映像。ドラムはアジカンのキーボーです。彼だけノーギャラです。笑。最初緊張している感じがありますけど、4分よりあとが素晴らしいので、そこまで是非観てみて下さい。

 

 端的に、とても良い声ですよ。生で聴いたらわかると思いますけれど、本当に、素敵な声。書く曲もメロディも良いし。なんでこういう才能のあるひとが行く先々で埋もれているんだろう?っていうのが、俺をレーベル運営に駆り立てているんですけれど、本当に彼女もそうで、世に出るべき歌と声だと思うんです。女性シンガーソングライターは世の中に沢山いると思うんですけど、横一列にならんでも、あなたの声はちょっと抜けて聞こえるわ、と、そういうひとのうちのひとりであることは間違いないと、感じます。

 

 アルバム『東京LIFE』、是非、聴いてみて下さい。で、ライブに足を運んでみて下さい。やっぱり、こういうタイプのシンガーは、生で観たほうが魅力が伝わるので。

 

 

 追伸。

 

 彼女はアジカンのツアーにも参加したんですけれど、それはアジカンの音楽の特性として、歌に対してカウンターになるメロディをケンさんが弾いているんです、常に。で、かつコーラスもしている、と。これはたまに超人的な瞬間もあるんです。そら、両方無理だわ、と。で、今回の『ランドマーク』はというか、『マジックディスク』あたりから俺が奔放に、そのあたりのケンさんの手元を考えずにコーラスを重ねていたので、大分無理がきていたのです。で、このツアーは音楽的に高いところを目指したい。だからケンさんにはまずはギタリストとして活躍して欲しいっていうことで、コーラスを岩崎愛に頼んだんですね。ケンさんの高い声と、彼女の声が割と音域的に近いんじゃないかという感じがして。お陰で、俺もケンさんもそれぞれのパートにの没頭することができたというか。皆さんの反応がどうだったかは分からないのですが、俺たちは心強いなと思っていました。

2013-05-24 1369402860
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