NANO-MUGEN 出演バンド紹介 「cero」
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 今回から、一組ずつNANO-MUGENサーキットの出演バンドを不定期で紹介していきます。コンピの収録がABCとアルファベット順なので、今回は「cero」の紹介です。

 

 彼らを初めて知ったのは1stアルバムの『WORLD RECORD』のときでした。もう本当に知的で、ポップで、素晴らしさに打ちのめされてonly in dreamsのレコメンドサイトに感想を書きました。コチラ。ツアー中によく聴きました。良い音楽を聴いて育ってきた人たちの、良い音楽という感じかな。それは田舎者の俺にとっては理想郷のような音楽で、憧憬の原風景っていうんですかね、そういうものをceroの中に観ます。ドキドキします。同時に、コンプレックスも刺激されるかな。俺の実家には、彼らが聴いて育ってきたであろう(実際は知らないけど)良質な音楽とか書籍がない。この差って、埋まらないんですよ、案外。

 

「21世紀の日照りの都に雨が降る」

 

 このセンスはなかなか育めないっていうか。うん。俺はもう、ギター歪ませてギャー!!!って粗野にやるしかなかった。アウトプットの引き出しがなかったからね。模倣すべきライブラリがなかった。で、国道のカーステレオ感のあるJ-POPも血にあるから、なんか野暮ったくなってしまうというか。その点、ceroの洗練された感じ、それでいて人懐っこいというか突き放す感じでもないところに温かみを感じるし、惹かれます。嫌味がないというか。ファミコンのカセットを沢山持ってるのに貸してくれないガキ大将とは違うというか。例えが変か。でも、音楽的に、吝嗇な性分がみじんも無いというか、図書館みたいな懐の深さと開放感があるんです。これは良い喩えかも。

 

 そして、新譜ですね。『My Lost City』。これも素晴らしいアルバム。前作よりはちょっとウェットな印象なんだけれど、震災以降に漂う空気を避けないでちゃんと向き合った結果なんじゃなかろうかと、俺は勝手に想像するわけです。もちろん、そればかりに引っ張られている(俺みたいに。笑)作品ではないですけれど、「マイ・ロスト・シティー」なんて歌うのには、それなりの気概が必要なんじゃないかって思います。まあ、気概のない表現なんてのはないんだけど、強さの話をしています。

 

「マウンテン マウンテン」

 

 

 素晴らしい。

 

 いや、ずっと好きだったから出演してくれるのが嬉しいです。俺、凄いコンプレックス持ちなので、ceroの人らはアジカンみたいなバンド嫌いなんじゃないかななんて想像するわけです。笑。アジカンのツアーなんて、断るだろうと。ceroのファンも「ちょ!アジカン、ヤメろ!俺らのceroを呼ぶな!こっち来んな!」なんて、ね。俺、基本ネガティブよ、かなり。笑。

 

 彼らみたいな音楽が「ド真ん中」で鳴ったほうが良いと思うんだよね。ヴァンパイア・ウィークエンドがあんなに世界で評価されて雑誌の表紙とかになってんのに、日本だったらceroとかシャムキャッツとか、他にもいろいろあるけれど、もっといろんな場所で評価されて欲しいなって思うわけです。◯◯なグループとしては10年ぶりの連続TOPナントカとか、どっかのバンドのメンバーがデブなんで休みますとか、それは音楽の話じゃないし、どうでも良いっていうか、心底ムカつくよ、俺は。メディアはそんなしょうもないニュースを金もらって拡散するくらいなら、もっと有能な、素晴らしいミュージシャンやグループやバンドを紹介して欲しい。って、ceroの紹介記事なのにすみません。脱線してしまった。

 

 いや、本当に、cero、良いです。俺は、ただのファンです。5月14日。

2013-05-14 1368495000
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