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プロデュースしているシェフクックミーの録音が完了。3ヶ月に渡ってのスタジオ作業だった。
シェフの録音は主要メンバーのシモリョーが夜型ということ、やたらと楽器の録音があること、などによって深夜までの作業が多かった。俺はこういう職業には珍しく昼型人間だ。朝は大体7時に起きて、1時か2時には寝る。ところがシェフの録音は普通に3時くらいまでかかることが多くて大変だった。プチ過労で寝込んだりもした。まあ、今となっては良い思い出。
シェフは、はっきり言えば才能をこじらせてしまったバンドだと思う。とても素敵なバンドなのだけど、いまいちツイてなかった。それは彼らのせいな部分もあるし、そうでないところもある。だけれども、そのツイてなさは、他力によるところが多かったんだろうなと想像する。で、そういうこじれたところを治したい、と、思うところから俺のプロデュースははじまる。チャットモンチーと作業をしてみたいと思ったのも、ダウナーを良い音で録ってあげたいと思ったのも、岩崎愛に作品を発表する機会を与えたいと思ったのも、もってる才能の割に、才能以外の何かがこじれている、と感じたところが大きい。もちろん、彼らの才能にも心底恋をしているんだけどね。うむ。
なんつうんだろう、すごく血流の悪い場所っていろいろあって、それを治したい。あるいは気の流れをかもしれない。そういう意味では、整体師でありたいとも思う、比喩として。
まあでも、スタジオに入ったら、基本的には彼らのやりたいことを最良の方法で叶えるっているのがひとつの目標で、そのうえで整理をしたり、何かを足したりできたらなっていうのが、俺のやり方。そして、良い瞬間を見逃さないこと。うわー、今のめちゃくちゃ良かったよー!っていう瞬間を拾うこと。録音っていうのはそういうことだから。だから、アジカンのレコーディングくらい疲れるなぁ。つうか、ほとんど区別ないくらいのエネルギーが必要。
シェフのアルバムは彼らの最高傑作になると思う。隅から隅まで、彼らのチームワークと才能と努力が結晶化している。ミックスがまだ途中だけれどね。発売は夏以降かな。また詳細は後日。
5月8日。