趣味の害虫駆除
カテゴリ:日記

 

 俺は趣味で害虫駆除をしている。と言うと、後藤さんは家庭菜園でもしてらっしゃるんですかという質問をされるけれど、俺はプランターのひとつも実際に持っていない。ではどこの害虫駆除をしているかと言えば、それは近所の公園の樹木だ。

 

 以前、俺はフクロカイガラムシの一種(定かではないが似ていた)の大量発生によって明らかに樹勢が落ちている木を散歩中に発見した。ゴッソリの白い綿のようなものに取り憑かれた名前の分からん樹木を見、これは放っておけんと俺はそこいらに落ちていた棒っ切れで綿のような虫を刮げ落としてやったのだった。その後、何故かその綿のようなフクロカイガラムシ(クワコナカイガラムシかもしらん)は樹木の上部に登って繁殖し直したのだが、俺が幹の部分を徹底的に叩いたことによって総数は激減、木は勢いを取り戻して、去年の春は新芽も怪しかったのだけれど、現在は葉っぱがちゃんと茂っている。

 

 ところが、その葉っぱの裏にまたしても白い綿のようなものがあらわれたのだった。むむむ。これはいかん。どうしたものか。でも、なんか去年までのフクロカイガラムシと感じが違う。綿としての規模が違う。ということで、葉っぱを毟ってチェックしてみたのだった。

 

 

 ぷっくりとしていて、棒でつつくとブニョブニョしている。なんか丸っこいグミのようなものが真ん中に包まれている。ひっくり返すと、茶色い腹が見えたが、足のようなものはない。どうやら、虫ではないような気がする。なんだろうか。俺は気になったので帰って調べてみた。するとどうやら、オオワタコナカイガラムシの卵嚢らしい。うわー、気持ち悪い。

 

 さて、どうしたものか。こういう卵嚢が産みつけられた葉っぱはきの上部に多く存在している。つまり、駆除するには木登りが必須ということになる。公園で、勝手に害虫駆除をしているのだけでもけっこうヤバイのに、木に登っているとなると通報されてしまう可能性がある。その場合、警察官から「どうして害虫駆除をしているのか」と聞かれるだろう。俺は、それに対する答えを持っていない。「趣味なんです」としか言い様がない。「虫が好きなんですか?」には「大嫌いです」、「ではそういった昆虫関係のご職業ですか?」には「いえ、ミュージシャンです」と答えるしかない。もうこれは、確実に「署まで」ということになってしまう。

 

 参った。全部取ってやりたい。だけれども、警察に連れていかれて、検尿とかをさせられるかもしれないと考えると憂鬱な気分になってくる。だけれども、このまま放っておけば、この木はオオワタコナカイガラムシによって再び樹勢が弱くなってしまうかもしれない。どうしたものか。5月2日。

 

2013-05-02 1367503320
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