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俺が自腹で作っている新聞『THE FUTURE TIMES』の増刊号の配布が始まりました。特集は「レコードストアデイ」です。
まあ、端的にはレコードにまつわるインタビューを掲載しています。そこから「音楽と未来」について皆で考えられたら嬉しいな、という提案でもあります。デジタルとアナログのどっちが凄いとかいう二項対立でもないし、CDとダウンロードとレコードのどれで音楽を聴くのが一番偉いかなんていう話でもないんです。変質的な愛情の話ではあるかな。でも、その変質的な愛情が回転させてきた、人と人の交わりが音楽でもあると思うんです。
表紙はデイヴ・グロール。知らない人もいるかもしれませんが、凄いミュージシャンなんです。ニルヴァーナっていう伝説的なバンドのドラマーにして、フー・ファイターズという、海外だったらどこに行ってもスタジアム級の会場でライブをしているロック界の超大物。今回、表紙の依頼をしたところ、なんと『THE FUTURE TIMES』のために写真を撮影してくれました。お気に入りのレコードを持ってというリクエストだったのですが、デイヴは一枚に絞りきれず、悩みに悩んで、一度は撮影自体がキャンセンルになってしまいそうだったという話も聞きました。笑。どんだけ音楽が好きなんだと。裏表紙には、そんなデイヴの音楽に対する想いも掲載しています。これも特別にコメントを送ってくれました。いやいや、本当に素敵な人。実は俺、フー・ファイターズの初来日観に行ったんです。初めて買ったレコードも。そういうこと思い出すと感動ですね。
中身は本当に充実していて、手前味噌ではありますが面白いと思います。特に佐野さんとの対談は、音楽の未来に対する希望をスマートな言葉で語っていただきました。本当に、心強い言葉の数々。改めて、佐野さんの魅力にヤラれましたし、今回の企画にあたって、佐野さんに依頼してよかったなと思いました。ベテランなのに、後輩ミュージシャンを仲間のように思って接して下さるんです。上から目線が一切ない。あくまで、同時代を生きるミュージシャンの一員として、若手(俺はもう若手じゃないけれど。笑)の話に付き合ってくれるんです。包み込むようなオーラというか。どうか紙面でもそれを感じて下さい。
それから、今回はレコード/CDショップで大きく扱ってもらっているようで嬉しいです。音楽に直接関係がなくても、これまで『THE FUTURE TIMES』の配布に協力してくれている様々な場所でも配布していただいています。本当にありがたい。配布店舗の一覧はコチラにありますので、是非チェックしてみて下さい。
今回の増刊号、音楽の号なんですけれど、通常の『THE FUTURE TIMES』と同じ内容について綴ったつもりです。比喩なんです。この音楽にまつわる愛情、僕らの音楽が鳴り止まないその核心にあるフィーリングは、一切の、僕らの生活に引用できるんです。最後まで読んで、それを感じてくれたら嬉しいです。真ん中にあるのは同じ想いですから。
僕らはありとあらゆる場所から、そういったフィーリングを奪われるわけにはいかないんです。例えば、「経済最優先」という考え方が僕らからいろいろなものを奪うように。僕たちが、そういった冷たい質感の何かに抗うために、比喩として音楽があるんです。シンボルのひとつでもあると思います。ある人にはアニメであり、ある人には野菜かもしれない。そこに宿っているもの、僕らが宿してきたものについての特集です。
4月20日。