舞妓はん
カテゴリ:日記

 

 京都に行った。

 

 街を歩いていると遠くに舞妓さんたちの姿が見えた。ああ、京都だなぁと、そういう身も蓋もない感想を小さい声で呟いてしまった。八つ橋でも買って帰ろかしらんと、なんとなくテンションが上がって土産もの屋を物色しつつ俺は舞妓さんのいる方向に歩いていった。

 

 舞妓さんに近づくにつれて、なんとも言いようのない違和感に襲われた。舞妓さんが思ってたよりもデカい、そういうことに気づいたのは舞妓さんから50mくらいのところだった。華奢、というイメージがあったのだけれど、ずいぶんと丸っこくて、タッパがある。あれ?みたいな感じで近づいて行くと、想像の倍くらいある大きな舞妓さんだった。うわー、と思った。顔がロボだった。ロボというか、ターミネーターを想起させる感じだった。出た!ロボ舞妓!と、驚いて背後の側溝に転げ落ちそうになったけれど、よく見ると外国人の方だった。

 

 なんて失礼な感想を持ってしまったんだと、俺は大反省をして心の中で謝罪をし、もういちど彼女たちのことを恐る恐る見てみた。やっぱり、ロボ、という感じだった。何故だろう、舞妓ロボにしか見えなかった。キョトン、としてしまったかもしれない。

 

 ああいうメイクと格好には、切れ長の目と日本人的な彫の浅い顔立ちが合うのだろう。そんなん当たり前か。だから伝統として残ってきたんだと思う。ひっくり返して、我々が欧米風を真似るとああいう風に見えるのかもしらん、とも思った。ロボ!というとりは猿!というふうに思われそうな気もする。エルビス!プレスリー!!だけど!顔が猿!みたいに思われてないかしら(喩えとして)、そういう怖さ、羞恥心を、観光地に行っても忘れないでいたい。舞妓さんたちに会わなかったら、俺も京都のどこかで新撰組の仮装などをして、ぶらりと街を散策してしまったかもしれない。来月からヨーロッパにいくけれど、現地で変な仮装をしないように気をつけたいと思った。

 

 4月3日。

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