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随分と時間が経ってしまって、自分でもどこまで書いたのか、そもそもアルバム全曲解説なんてやってたっけ?と、すっかり忘れていたアルバム全曲解説ですが、ツイッターなどで「早く続きを書いて欲しい」「楽しみにしています」などの激励にはじまって、「チビメガネ」「なんかショボイ顔」「生理的に無理」などの音楽とは関係のない罵詈雑言も飛んできそうな雰囲気なので、再開させようと思います。単純に忙しくて、忘れてました。すみません。
今回は『1980』ですね。
曲は山ちゃんのベースラインを元にして組み立てました。震災直後のスタジオセッションでほぼ曲は完成していました。イントロからヴァース(Aメロ)のあたりのベースラインですね、まずはそれがアイデアとしてありました。そこに建さんがギターリフを同じリズムパターンで被せて、更に俺がそれにハモる音で重なっていくというアジカンのギターふたりが良くやるパターンですね。『No.9』という曲も同じようなギターの構成です。ギター2本だけでなくて、ギターとベースとか、割と僕らはリフとかフレーズを弦楽器2本で部分的にユニゾンさせたりハモったりするのが好きなんですね。
僕ら(建、山、ゴ)は楽器をはじめたのが遅いし、ろくにコピーバンドも組まずにオリジナル曲を作ってたんです。だから、まあ、曲を作りはじめたはいいけれど、演奏が下手だった。ギターソロなんて弾けなかった(ギターソロが好きではなかったというのもある。必要か?ってずっと思ってた)ので、間奏はどうにかしてバンド全体で面白くしないといけなかった。そういうところから、テクニカルに手が動くというよりはアイデアで、リフそのもののメロディの良さだったり、そこにどうやって音を3人で積む(和音のこと)かってことをずっと考えるようになったんです。オクターブ奏法が多いのも、そういうやり方に向いた演奏方法だからなんですね。
それで『1980』では、歌もメインのリフに絡んでいます。で、メロディを後半はリフから離して、同じコード進行のままBメロっぽく作ってあって、この流れは気に入ってます。毒づいているあたりのことです。
リズムは久々の4分打ちのキックに裏アクセントのハイハットのパターンですね。何か照れます、このリズムパターン。曲の中で3回ブレイクがあるんですけれど、残ってるヤツが違うんで聴いて確認して下さい。だから何だ?って言われたら、返す言葉ないんですけど、そうなってます。笑。これはもう性癖みたいなもんで、毎回一緒なの嫌!ってなってしまうんです。ブレイクって一歩間違うと凄いアホなんで、3回同じ方法でブレイクすると自分たちで自分たちが許せなくなるんですね。アホすぎるだろう、と。笑。
で、歌詞ですね。例によってあまり語りたくないんですが、僕が本当に皮肉を言いたいのは総理大臣や偽物ロックスター(自分自身への当てこすりでもあるけど)ではなくて、「耳も目も手で塞いだ」できたのは誰かってことですね。まあ、こういう曲は言葉なんて置き去りにして踊ってもらうくらいが丁度良くて、後から「なんて言ってんだろうね、うわー、凄い皮肉!」って発見してくれたら嬉しいというか...。
この曲はアルバムの最後に録音していて、もうひとつマジックを起こしたくて悩んでたんです。そのときに『今を生きて』の依頼がレーベルから来て、「いやぁ、俺、今アルバムに集中しているんで新曲ムリっす」という返事しかできなかったので(しかもキレぎみに)、俺以外の3人が先にセッションをはじめてくれたんですね。3人が『今を生きて』の原曲を作ってる間、俺は『1980』のコーラスパターンを必死に考えてました。夜中にメロディを思いついて、ウォー!となったのがサビからのくだりです。そこを録音して、アルバムがやっと終わって、『今を生きて』のセッションに参加しました。
歌詞も最後まで悩んで、書くのに時間がかかった一曲です。ランドマークの曲の中では、歌詞がもっとも書けなかった曲ですね。1年くらいかかってしまった。1年かかって吐く皮肉にしてはダサいけど...。笑
3月28日。