高見盛引退
カテゴリ:日記

 

 タカミーと言えば、ジ・アルフィーの高見沢さんを思い出す人が多いかもしれないけれど、タカミーのミのあたりで反射的に高見盛のことを想い浮かべてしまうほど大相撲が好きな俺です。はい。

 

 そんな高見盛が引退を発表しました。

 

 

 動画は高見盛の現役最後の取組です。もう、込め過ぎた気合いに対する彼の想いを想像して、半泣きで毛穴を収縮させながら何度もみてしまうわけです。また、若荒雄はどんな気持ちで相撲を取ったんだろうか、と考えてみるのも大相撲の楽しみのひとつだと思います。勝負とはいえ人間の行うことですから、そこにどのような心理が潜むのかを考えながら、俺は取組を観ています。そして、場所全体を眺めています。そこにあるドラマに感動するというか...。神事で武道でスポーツで芸能であるような、そういう多面的な、異質の何か、それが大相撲だと思うのです。非現実である、と。だから、俺らの実生活の物差しで計ってはいけないのです。面白さが減ってしまう。とはいえ、清廉潔白を求める世論自体も大相撲を楽しむスパイスになっているのですが、大相撲ファンとしては。「違うんだなぁ」と世間に向けて言いたいみたいな。中2か。笑。

 

 話が逸れました。

 

 高見盛。俺と同い年なんですよね。昭和51年生まれの力士って案外多くて、黄金世代なんです。栃東、千代大海、琴光喜、隆乃若、高見盛、武州山、十文字、若の里、安壮富士、岩木山、俺(力士じゃないけど)と、「花のゴーイチ世代」って言うの知らなかったですけど、とにかく実力ある力士が沢山います。ひとり減り、ふたり減りと、現在では若の里が幕内で活躍しているくらいしかテレビでは目にできなくなりました。横綱大関陣はもう皆年下ですから、俺がオッサンになっただけなのだけど、なかなか寂しいものです。

 

 高見盛はとても人気がある力士でした。いや、本当に、満員に近い国技館の後半戦に彼が登場して、動画にあるような(動画ではたった3回ですが...)立ち合い前の気合い入れの時の会場の一体感といったら、素晴らしかったんです。「ドゥシッ!!ドゥシッ!!ドゥシッ!!ドゥシッ!!ドゥシッ!!」と彼が両腕を振り下ろすのと同時に、館内が同じかけ声をあげるわけです。これが凄かった。そして、塩を撒くまでの歓声。思い出しても興奮してきます(本当にすごかったんですよ!!!)。魁皇への声援と高見盛への声援は忘れられないですね。皆が楽しみにしているのが、会場の空気からも分かる感じだったんです。

 

 土俵際での粘りも印象的でした。もう、キャラクターのせいというか、まあよく引っ叩かれたりして可哀相な瞬間もあった高見盛ですが、身体がとてもしなるんです。俵に足がかかってダメかなと思ったところでグワーっと後ろに反って、なかなか土俵を割らない。そこからの逆転が多くて、本当に凄かったんですよ。ウソーっていうくらい反る。仕切りまでの所作とかを見ると身体が固そうに感じるので、とても不思議だなと思って観戦していたのですけれど...。力も強かったですね。あとは、勝っても負けても、極端に分かりやすい表情で引き上げていくところが、皆の楽しみのひとつだったんですよね。出ていくところまで注目されている力士なんて、そうそう居ないですよ。笑。

 

 アイドルとかがチャラチャラと高見盛に近づいて売名行為みたいな感じになっていたときには腹を立てもしました。からかってるなら許さないぞ!と、お前は高見盛のなんなんだと、親類かと、そうツッコまれそうな勢いで怒っていたという、当時、俺。あはは。そんな思い出もあります。

 

 いやはや、寂しいですね。満員の国技館で、高見盛が気合いを入れるところがまた観たい。もう叶わないですけれど(引退相撲に行かれる方は観られますね)。1月27日。

2013-01-27 1359247560
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