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ふと、全曲解説でもしようかしらん、と思ったので始めます。毎日ではないと思います。初回は「All right part2」です。
この曲は皆さん気づいているかどうか知りませんが、歌詞の頭文字が「あいうえお」順になっています。で、「たちつてと」から文字数の関係で「らりるれろ」に飛んで、最後「わをん(和音)」で終わって、「言葉遊びはここまで」となっています。延々、言葉遊びをしているんです(もちろんそれにも理由があるんだけど)。
なんと言いますか、「意味」のようなものが求められる傾向というのに何年か前から辟易としている自分がいました。頭の言語の部分だけを使って、どういう意味?どうしてこの言葉?というような聴き方だけをされると、ちょっと重いというか。俺の作っているロックミュージックは踊るためのものでもあるので、まあまあ意味とか置いといて、悲しい歌でも踊ろうよ、って気分をいつも持っているんですね。だから、なんとなく、震災前はシュールな言葉使いで「意味」とかを問う風潮をぶっ飛ばそうかなぁなんて、そういう曲を一杯書いてみようかなんて構想を練っていました。J-POPの現場に足りないものって、ダンスかなって思うんです(偉そうにすみません)。「振り」ではなくて自発的な「ダンス」。ね。
それでまあ、アルバムでは半分くらいは、そういう「言葉遊び」の要素を捨てずに取り組みました。皮肉にも「意味」を自分に問わざるを得ない、そういう気持ちにはなりましたけれど。だけれども、サウンドの中にどうやって音としての言葉を落とし込むのかっていうのは、いつも考えていることで、俺はやっぱり意味そのものよりも、発語した時に気持ち良いっていうことを音楽に乗る言葉には求めたいし、一見関係のなさそうなAとBという単語の連なりから広がるイメージというものに、希望を見出しています。それが偶然だったとしても。言葉と言葉の組み合わせで、全く新しいイメージ=景色を作ることが可能だと思っているというか。見たこと、感じたことだけを綴るのが歌詞じゃないですし。
楽曲はイントロのリフを建さんが考えたところから曲作りが始まりました。EとAの繰り返しのコード進行まで彼が考えてきたと思う。で、展開のコード進行を俺が考えて、メロディを付けて、皆でアレンジをして完成。最後の転調のところは半分くらいギャグですね。ええ〜!っていう。笑。自分らでも笑ってしまうアレンジって、結構好きなんです。ダサいんだけど愛おしい。ダサ愛おしいみたいな。そうやって、ゲラゲラ笑い合って作曲できるときは、スタジオの雰囲気も良いですし。
コーラスは、なんて言うか、野太く歌い上げる系ではなくて、可愛らしい声のイメージがあったんです。で、チャットモンチーのえっちゃんがぴったりだなと。建さんだと、最近は特に酒と煙草と加齢でドブ声化してきていますから、厳しい局面が増えてきているわけです。エンジェルヴォイスだなんて言われたこともありましたが、今ではドブ声ファルセットと俺から呼ばれています。笑。結果、えっちゃんの声はぴったりでした。可愛らしいようで、抜群の存在感。全く埋もれないというところに驚きましたが、ふたりの声が両方引き立って面白かったです。
あとはもう、語ることないです。アナログテープで録音したんだっけな、確か。
皆、「猿みたいなステップ」でも「大丈夫」なので、どんどん踊って下さい。なるべく、隣の人と違うやり方で!(それを自分で選ぶなら、もちろん誰かと同じでも良いけど)。マスゲームじゃないからさ。自由に!っていうのは、まあ、ロックのひとつの主張だと思います。青臭いけれど。これが案外、浸透していない、ような気もしますし。隣の人の動きを見て、「俺、変なことしてないかなぁ」なんて思う必要なくて、もう好き勝手にやっちゃって!っというか。俺らはステージから、うわ!変な踊りしているヤツがいる!って引いたりしないしね。むしろ、アガります。笑。
というわけで、あんまり理屈じゃない曲。でした。「All right part2」1月10日。
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追伸。「part2」と付けたのは、ロックンロールにはAll rightという曲が沢山あるので、一緒なのは嫌だなと思ったのと、一方で俺も「大丈夫だ!」と歌い継ぐぜ!という意味もこめて、それら全てのAll rightの続編として「part2」を付けました。ウス!