郡山公演は無事に終了。今回のツアーで1、2を争うくらい、観客の雰囲気が温かかった。ありがたい。福島県に対する想いは書ききれないくらいあるけれど、MCでうまく伝えることができただろうか。精一杯、言葉を選んだつもりだけど。

　ランドマークというアルバムには、あるだけの愛と希望を込めたつもりだけど、同時に皮肉も書き綴った。それを実際に鳴らすことについて、逡巡がないわけではない。例えば、東京ではその皮肉が自分が思うジャストな強さで響いたという実感があっても、福島第一原発に近づけば近づくほど、自分がしたためた皮肉に身を切られそうにもなる。もちろん、俺は、作者として、そういう葛藤があるのは当然だと思っているし、それが表現だとも思っている。生身の俺とアジカンのゴッチが分離しているわけではないけれど、なんとも言えない気分は、ある。

　そういう、いろいろな想いや戸惑いを抱えながらも、俺は今しか、俺が生きている今しか書けないこと、鳴らせないこと、そういうものを作りたい。たとえ、誰かに煙たがられたとしても。

　で、そういう、徹底的な現在性にこそ、結果的に永遠の生命のような普遍性が宿ると思う。今、レコーダーが回っている、この一瞬の音を最高の状態で録音すること。例えば、レコーディングがそういうことならば、何かを創ることだって同じだ。

　11月28日。