久しぶりにお好み焼きを食った。

　お好み焼きという料理はたいしたもので、野菜がない、ソースがない、マヨネーズがない、具がない、そもそも金がない、テレビもねぇ、ラジオもねぇ、車もそれほど走ってねぇ、というような余程の失敗がない限り、スーパーで粉を買ってきて自作しても美味い。だから、当然のように然るべき店で食えば、とても美味いということになる。マズかったら困る。対価を取って提供するような立場でマズいお好み焼きを作るならば、これは罪だと思う。法律には触れないので処罰はないけれど、心の底からド阿呆と、そういう想いを投げつけて構わないと思う。

　ただ、場合によっては己の味覚が世間一般の「美味い」とは著しく乖離している可能性もある。他人の作ったものをマズいと認定する場合には、このような自戒を、自分を疑う過程を省略してはいけない。俺はそう思う。10月18日。