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FLAKE RECORDSとdigmeout ART & DINERの6周年記念ライブに出演してきた。
最近はヴァイナル(下唇を噛んで格好良く発音しているが、要は塩化ビニール製レコードのこと)を買うことが多くなった。アマゾンなどでポチっとやらかしてしまえば、翌日または翌々日くらいには運送会社が我が家のチャイムを押して荷物を持って来てくれるという、30年前なら完全にサイエンスフィクションだった世界を俺は生きている。アマゾンには珍盤名盤なんでもござれと、大概のものは手に入るので重宝しているのだけれど、レコードを保存しておくためのビニール袋は付けてくれない。紙のジャケットを剥き出しでレコード棚に突っ込んでおくのも何か失礼な感じがする、裸でそこに座っておれと言われたらはっきりと苦痛だと俺は思うので、レコードを心のなかで擬人化して「良いおベベ着せたんでー」などと声をかけながらビニールに入れて保管しておくのが好きだ。FLAKEのDAWAというオッサンは気持ち悪い、そういうことを思っているヤツもそこそこ居るかもしれんが、収納用のビニールを付けてくれたり好きそうなレコードを薦めてくれたり取り置きをしてくれたり、THE FUTURE TIMESの配布を手伝ってくれたりと、いろいろ世話になっている。レコード屋を続けること、しかも個人経営とあらば、いろいろな苦労があると思う。6年とは言わず、俺がレコードで音楽を聴きたいと思う間は店が続いて欲しい。
DIG ME OUTも世話になりっぱなした。THE FUTURE TIMES創刊号の表紙を書いてくれた岸野さんの絵に出会ったのはDIG ME OUTのアプリだったように記憶している。ビビビと来た。そのビビビ感たるや、松田聖子が以前にビビビ婚を挙げたときに匹敵するのではないかと、俺は自己評価している。そういう出会いに感謝している。その他、ゴッサン基金のサポートもしてもらったし、基幹店であるかのようにTHE FUTURE TIMESを配布してもらっている。この日はビール、ハイボール、アイスコーヒーなどを出演者だからという理由でガブ飲みし、代金を踏み倒すという狼藉を働く狂気のロックミュージシャンである俺に、スタッフの人たちはとてもさわやかな笑顔で飲み物を提供してくれた。出演者とはいえ些か飲み過ぎではないか、という感想を自宅に帰ってA4のノートに書き付けるなどして末代まで伝え残すスタッフもいたかもしれない。それはその通りなので、お詫びしたい。今度とも、アメリカ村のシャレオツってだけではなくて一本芯の通った、そう書いたらアルデンテのパスタが脳裏に浮かんだけれども、そういうカフェでいて下さい。6周年おめでとうございます。
こういうことを、本当はMCで言うべきなのだけど、昨日の俺はYeYeとPredawnという女性SSWに囲まれて卑屈なメンタリティに着火、キュウリの灰汁について語るなど脱線の数々を繰り返して6周年を祝うコメントを忘れてしまった。思えば、京都音楽博覧会でも新しいアルバムの紹介を忘れた。こういうミスをお茶を啜ったり飯を食ったりするように頻繁に起こす自分に腹が立って、いますぐ己の鳩尾(みぞおち)をグーで殴るなどして部屋で踞りたい、そういう気持ちもないわけではない。でも痛いのはもっと嫌だ。だから謝ろう。そう思って、日記を書いている。空気が毎度読めなくて申し訳ない。KYだと思う。いや、KSKW(気色悪い)と思う。すまん。
ジジイ(YeYe)、夜明け前(Predawn)、そして亜米利加からやってきた熱帯低気圧を知らせる鐘(HURRICANE BELLS)のスティーブ、どのステージも素晴らしかった。 スティーブは前日にジェイムス・イハのサポートでも大活躍したナイスガイで、とても優しい男だった。アッシュのティムやナダサーフのメンバーなどと友達らしい。世界は案外狭いのだなと思った。ジジイも夜明け前も良かった。こういうオルタナティブな活動を行う若い女性シンガーたち、どんどん世界に出て行けよ、どやさ(使い方が合ってるかしらんが)、と思った。日本人かつ女性であるということは、はっきりと世界に出て行くにはアドバンテージだと思う。事実、世界中の阿呆な男どもは日本人の女の子萌えーとなっている。サーストンムーアだってそうだ。なので、それに乗っかって最終的に肘テツを食らわすような、散々殴っておいてからベホイミをかけてあげるような、そういうやり方でバンバン世界の窓を叩き割って欲しい。そう思う。チャットモンチーとかニューヨークに住んだら良いのにと勝手にずっと前から思ってる。絶対に勝てる。というか、勝ち負けではなくって、面白いものとしてシェアされると思う。
あ?俺?俺はアニメに乗って(きっかけだけど)世界を横断している。既に。サウスアメリカやアジア各国、ヨーロッパの一部の国からバンバンコメント来るよ、マジで。日本のアニメや漫画、本当に凄い。全く卑下する必要なし。最高。何故ならば、例えばドラゴンボールを原書で読みたいというヤツがいる限り、日本語は言語として滅びない、そういう可能性がとても高い。皆の大好きな「愛国」という言葉を借りるならば、こんなに愛国的な文化はない。そう俺は考えている。まあ、夏目漱石を原文で、という海外から見てもファッキングレートな日本の文学の歴史がその前にあるのだけど、俺たちがこうして日本語で作品を作ることには、言語を担保するっていう役割もある。だから、文化を殺してはいけない。凄くシンプル。作品は国の名前が変わっても、そのまま、書かれた言語のまま、残る。そういうこと。あれ?何の話してたんだっけ。9月23日。
写真はアンコール時、『LOST』をリクエストされるも練習をしておらず、会場の観客から7インチを借りてカラオケで歌うジジイ(YeYe)と亜州功夫世代(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の後藤氏。マイクに食らいつくように歌うYeYeが会場の熱狂を物語っている。秀逸な一枚。撮影はYDA氏。