天ぷら
カテゴリ:日記

 

 アルバム『ランドマーク』発売。我々がNANO-MUGEN FES.で使った太陽光発電と蓄電池のことについてフランスの記者の方から取材を受けた。実は次のツアーでも使用出来る方法を模索している。なにしろ、電池やソーラーが嵩張るので、輸送代金が別途かかってしまう。だから、フェス用のシステムを持って全国行脚は無理だろうということで、今回は楽器のみ太陽光で鳴らすのはどうだろうかという話になった。そのほうが説得力があるだろう、音楽だしね。というスタッフの意見はもっともで、今度試験的にノイズなどのチェックをして使用可能かどうかを音響/楽器スタッフと共に確かめて、ツアーに使えるかどうか判断する。一口に再生可能エネルギー(自然エネルギー)と言うわけにはいかなくて、俺らの現場だけではなくて、いろいろな場所で効率化や採算についての技術革新が日夜行われているのだと思う。まあ、お金を落とすことは端的に支持!賛成!ということでもあるから、積極的に俺はそういったエネルギーを選びながら、それが「あんたら最高や!」と技術者に対する賞賛の意思であることをアピールしていきたい。アピール屋でもあると思うので、音楽家は。

 

 ここまで書いて、天ぷらの話を一切していないではないかと、そう訝しがる向きもあるかもしれない。またあいつはエネルギーの話かと。大概にせい!と。セイセイセイと。レイザーラモンHGを思いだす人もいるかもしれない。俺も、何で「天ぷら」ってタイトルにしたんだろうかここまで書き進めて薄々、いや、6行くらい前には気づいていたんだけど、面倒くさいというか、まあいいやなんでもっていう気分なんスけど、あのー、せっかくだから言うけど、天ぷらって何であんなに高いの?って思ってます、前から。すみません、天ぷら屋の方。確かにあの、この日はメンバーと一緒にピッチピチの魚介や恐らく育ちが良い感じの野菜をこれでもかと食わせてもらったんですけれど、正直にスッゲーうめー!!!と踊り出したいなぁとか思ったんですけど、やっぱり高いっスよ。江戸のファーストフードだったんじゃないかと、モザイク処理された顔で「最初はやさしかったんですぅ〜」と高音のボイスエフェクトをかけて言いたいような、なんかそういう暴力的な印象を受けるというか、さすがに諭吉を一枚持ってくことはないじゃないか!と、まあ、いろいろあって人のお金で食べたんですけど、なんかすみません長くて。

 

 もしかしたら、こうやって庶民の食べ物が超高級料理に変わることがあるかもしれないから、まあ時間の経過も歴史も面白いなぁと思う。寿司だってそうだ。300年もすれば、価値観なんて変わってしまう。今の時代、前頭部を剃り上げて髷を結っていたら、普通に人が避けて通ると思う。うわー!ちょんまげ!って思われるはず。だからもう、これはなんつうの、分かりやすく諸行無常というか、人の世のなんて移ろい易いものよっていうか、今「写ROY」って俺のマックは誤変換したけど、まあ日本語も同じでブっ壊れるというか変わっていくのが当たり前で、正しい日本語なんていうのが作られた概念なんであって、だって「候(そうろう)」なんて誰も使っていないわけで、常識とかも少しは疑わないといけないよなと、そういうことを天ぷら食いながら考えた。どうかしているのね、と俺の脳内を心配する人もいるかもしれないけれど、デフォルトです、こういう面倒臭さ。

 

 レコードだってね、1920年くらいでしょ、せいぜい。違うかな。間違ってたらすまんが、100年も経ってない。音楽を録音して僕らみたいな一般人が楽しむようになって、100年経っていないんですわ。これ、衝撃でしょう。CDだって30年か40年くらいのものでしょう、ここまで普及してからは。自宅にマックが来たっていうか、きっついローンで買ってきたのが15年くらい前か。こうやって気軽に音楽を携帯できるようになったのも、ここ10年以内の話だものね。全く当たり前じゃない。

 

 そうやって、時間のことを考えると面白い。9月12日。

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