ゴッサン基金会計報告&故郷について
カテゴリ:日記

 

地元である静岡県の島田市にて、『絆まつり」というお祭りに参加してきました。弾語りライブです。

 

 

 

町の真ん中を大井川という川が流れています。この町の歴史は、暴れ川と呼ばれた大井川の治水の歴史でもあります。江戸時代には幕府によって橋の建設が許されていたかったために、旅の人々は自力で渡ったり、人足に肩車してもらったり、蓮台という御神輿のような台に乗って川を渡っていました。もちろん、有料。人力で渡るので、川が増水すると渡れなくなります。そういうときにはさながら江戸のような活気であったと言われています。東海道53次の宿場町ですね。

 

お茶の産地としても有名です。去年は福島第一原発の事故で飛散した放射性物質の影響を受けました。ブランドイメージの回復に、お茶農家の皆さんは大変な想いをしていることだと思います。そのあたりの詳しい記事は、The Future Timesに掲載していますので、是非。お茶の面白い生態も知ることができる記事ですので。

 

震災を機に、生まれ故郷のことを考えるようになりました。今までは、どちらかというと暗黒の青春時代の影響で足が遠のいていたのですが、どうしてでしょう(笑)。例えば、実家から20kmくらいの場所にある浜岡原発のことも気になります。何しろ、この地域ではずっと言われ続けている東海地震の、震央と予想される地域の、海辺に経っていますので。故郷に戻れないという状況を想像することは、今までの日本では難しいことだったように思いますが、原発事後を機に、科学的なデータについては議論の余地はあるにしても、長期に渡って居住が制限される地域が生まれる可能性を身近なものとして捕らえるようになりました。また、瓦礫の受け入れを表明した町として、ネット上ではかなりひどい言葉(度を超えていたように思います)が島田市に向けて放たれていました。これには心が痛みました。そういうことも、生まれ故郷を考えるようになった一因かもしれません。

 

どんな場所にも、たとえば島田市民だとか、福島をフクシマと表してみたりだとか、そういう言葉ではひとくくりにできない人々の生活があって、それぞれが独自の角度で郷土への愛憎を抱いて暮らしています。たった一言で、顔の見えない他人が住む遠い町を一般化してしまうことは容易いけれど、僕と君が違うように、顔も身体も違う人たちの数だけ、そこに“その町”があるんです。そういう想像力の欠如が、ネット上に辛辣な言葉をのさばらせるのだと思います。逆に僕は、そういう想像力のない人たちを逆襲のように一言でまとめたい、貧しい、と。

 

震災直後、どうして良いか分らずオロオロしていた僕に、数十キロの米を託してくれた島田市の農家の方々に感謝します。そういう形ある想いが、僕の一歩目を強く後押ししてくれました。いわき市まで車で物資を運んでいた近所の消防団にも刺激を受けました。市民性みたいなものは幻想だとは思いますが、少なくとも僕の家族や友人たちのまわりには未だ温かい繋がりがあることをとても嬉しく思います。田舎なので、柵(しがらみ)もあるでしょうけれど。でも、僕は静岡で柵らしきものを感じたことはあまりないです。「なんとかなるらー」というような、楽天的な雰囲気が過ぎて心配なくらいです。笑

 

 

さて、ゴッサン基金では296,013円の募金を預かっていました。2会場分の募金の集計が済みましたので、報告します。

 

まずは、『NO NUKES 2012』です。東北ライブハウス大作戦と一緒にThe Future Timesのブースを出していたのですが、そちらに沢山の方が来て下さいました。集まった金額は182,693円です。ありがとうございました。「反原発/脱原発」を掲げたフェスティバルということで、一部では反原発の人たちは被災地についての意識が薄いというような誤解もあると聞いています。そんなことはありません。会場の端っこの、小さなブースにまで、このように沢山の方の想いが届いています。ネットで騒ぎ立てたり、酷い言葉使いで誰かを罵倒したりもせず、こうやって考えて行動してくれているひとも沢山いるのだということを知ってもらえたら嬉しいです。

 

そして、モンスターバッシュの際に弾語りライブを高松でやらせていただいたのですが、そこでも54,097円の募金を預かりました。ありがとうございます。一緒にライブをしてくれたストレイテナーのホリエ君にも感謝します。次回のツアーの時も、僕のソロライブを計画していますので、高松の皆様、よろしくお願いします。

 

現在、合計で532,803円です。使用方法は検討中です。決まり次第、このブログに書きますね。本当に、皆さんのご好意に感謝しています。

 

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