暦は8月に突入しました。当たり前だけど、夏は暑い。

NANO-MUGEN FESに参加してくれた皆様、どうもありがとう。感想は山のようにあって、ここには書ききれませんが、とても素晴らしい瞬間が沢山ありました。フェスは出演者が一方的に提供するものではなくて、観客ひとりひとりの感情やバイブス(振動)が影響し合って、その場の雰囲気ができあがります。ですから、素晴らしいフェスには素晴らしい観客がどんな場合にもいます。で、生物が多様性を持ち、それが生物自体を担保するように、ひとの楽しみ方はそれぞれです。中には自分から見て不快な楽しみ方のひともいるかもしれない。そういう多様性を排除しない中で、一瞬でも美しい瞬間があること、何らかの心情を(例えば、楽しい!とか)が打ち合わせもなく共有されること、これがフェス、お祭りの醍醐味だと思います。

そういう一瞬を、言葉でとどめておくのはとても難しいです。その場で、消えてしまうから美しい。

こられなかったひとたちは、このあたりのレポートで、追体験とまではいけませんが、会場の雰囲気を感じてみてください。

■エキサイトミュージック

http://ent2.excite.co.jp/music/summerfes12/report/nanomugen/index.html

■NANO-MUGENのオフィシャルレポート

http://www.nano-mugenfes.com/12/report/

それから、NANO-MUGENでもゴッサン基金への寄付をいただきました。会計報告します。集まった募金は55,651円、前回までとの合計で、296,013円をゴッサン基金としてプールしています。被災地への物資に代えて使用します。会計報告はこの日記で引き続き行いますね。ありがとうございました。

そして、今回のNANO-MUGENは、10時間に及ぶフェスティバルと前日のリハーサル中の照明の電源を太陽光発電と蓄電池で行いました。前回のツアーから実験をしていたのですが、今回、かなり大きな規模の照明を再生可能エネルギーで賄うことができました。巨大なコンサートはどうしても、その消費電力の大きさと向き合わなければいけないと思うのです。それはCO2の問題もそうだし、電力やエネルギーといった、今の日本を生きるうえで無視できない問題だからです。

そういうシステムを使うにあたっての経緯をこちらのページに掲載しましたので、時間のあるときに読んでみて下さい。(The Future Timesの記事へ)

そして、我々は岩手県の気仙地区で行われたKESEN ROCK FES.へ。

同地区の大船渡市や陸前高田市が巨大津波の被害に遭い、2011年は以前の会場では開催できず、2012年の開催も大変な努力が必要だったと思います。バンドアパートのメンバーとMUSICAの鹿野さんを中心にミュージシャンが協力して、フェス開催への支援も行ってきました。それだけに、とても待ちわびたというか、感慨深いものがありました。ステージ上で涙ぐむバンドアパートのメンバーの姿にも心が動きました。スタッフ、観客ともに素晴らしかったです。

ささやかなちからでしかないとは思いますが、こうしたロックフェスが、沿岸部の復興の一助になってくれることを心から望みます。参加できて嬉しかったです。また出演したいです。

フェス後は大船渡市に宿泊し、翌朝は市内を散歩。

2011年の6月にはじめてたずねたときよりも、いくつかのビルなどが解体されて、確かに片付いてはいる印象でした。かさ上げされた新しい道路も開通していました。それでも、まだやっと更地の前段階のように私の目には映りました。これから、この街の復興がはじまろうとしているのだろうと感じました。港の付近は、ようやくスタート地点に立ったのだと。行政の支援の質と速度を実感することは私にはできませんが、それなりの予算と方法、ビジョン、いろいろなものが結集されて、新しい街として再建されていくことを祈ります。そして、数十年なのか、百年単位なのか、繰り返しやってくる津波という、この土地ならではの天災をしなやかに受け流すような、そういう街になって欲しいと思いました。厄介な自然はどこにでもありますが、誰も悲しむことのないような備えを、と願います。

2011年の6月の日記をリンクしておきますので、上の写真と見比べてみて下さい。ちょうど記事の真ん中あたりにある、バックホーンの岡峰光舟と歩いているあたりが、この日記の記事とほぼ同じ場所です。 6月23日の日記。

長くなってきたので、フジロックのことは次回の日記で。