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北海道はアイヌの聖地、白老で行われたTOBIU CAMPに参加してきました。
まずはアイヌ民俗博物館へ。この施設は民営です。北海道の先住民族であるアイヌ民族の文化が紹介されています。道立や国立の施設でないことが少し淋しいですね。
入り口。ポロトコタンとは“ポロ=大きい”、“ト=湖・沼”、“コタン=町・村”というアイヌ後です。知っている人が多いと思いますが、北海道の地名のほとんどはアイヌ語が語源です。札幌は「サッポロッペッ=大きな川が乾く」というような意味があるとのこと。白老は「シラウオイ=あぶの多いところ」という意味だそうです。当日は雨で、大量のアブがいなくてホッとしました。
コタンコロクル像。むらおさの像です。16メートルもあります。
復元された集落。実際にはもう少し小さいそうです。見学のために大きめに造られているとのこと。奥には湖が見えますね。
茅葺きの住居の中の様子。土間の奥には板張りで一段高くなった部分があり、その中央にいろりがあり、柱も太くとてもしっかりした造り。現在、このような家を建てるほうが、普通に家を建設するよりも費用がかかるそうです。便利という名のもとに失っている技術だったり、言葉にはできない何かだったりを考えてしまいます。それはありとあらゆる場所で。人間は機械やコンピューターを使って生産性を向上させていますが、逆に出来なくなってしまったことも多いのだと痛感します。それは音楽の世界でも同じで、コンピューターによって失われることが沢山あるのです。もちろん、得たものも多いですが。
天井にはシャケの薫製が吊るされています。塩、シャケ、以上とのこと。小分けにしたものをお土産で頂きましたが、とても美味しかったです。
鹿。北海道ならではの風景ですね。
そしてTOBIU CAMPにて演奏。17時くらいからだったので、段々日が暮れていくのが良かったです。森の中、木や竹で出来た手作りのステージの上で、とても良い雰囲気でライブを行うことが出来ました。この日はアンコールを入れて1時間くらい演奏しました。
観客たち。かなりの雨が降ってきたのでカッパ着用の方が多数。
別の角度から。そこに生えている木を柱代わりにした不思議なステージです。急造の布製の屋根がまたなんとも良かったです。
森の中にはいろいろな作品が展示されていました。
僕を呼んでくれたマレウレウというアイヌ民謡のチーム。ウコウクという輪唱が素晴らしいです。独りが唄った節を次々にとなりのひとが輪唱していくのですが、それぞれの声色や音程などがズレたり重なったりしながら、突然信じられないようなバイブスを放ったりします。音楽の宇宙ってこんな感じかな?と思うような瞬間もあります。マレウレウは音源もリリースしているので、興味のある方は是非。
夕飯はフェススタッフと出演者たち用のまかない飯を頂きました。ジンギスカン丼。とても美味しかったです。
キャンプファイヤー。この火を囲んで、100人強のひとたちで唄ったウポポ、踊り、とても面白かったです。いろいろな地方のフェスティバルは、僕らにとって新しいお祭りなのだと感じました。ちょっと疎遠になりつつあった地方のコミュニティ再生の可能性も、様々なフェスティバルは内包しているのだと確信しました。ロックバンドが出たり、地元伝統の盆踊りなどがあったり、いろいろな可能性がありますよね。フェスティバルも、地域密着、分散の時代になりつつあるのだと思います。様々な場所で、面白いフェスティバルがありますものね。
キャンドルJUNEさんのドーム。ほとんどあかりのない会場にうっすらと浮かび上がって、とても良い雰囲気でした。
翌日はアイヌ文化のイベントをすこし見学。
伝統的な唄や踊りが披露されていきます。参加者に若者がほとんどいないところが淋しいです。爺さんと婆さんばっかり。それでも、アイヌの伝統芸能を伝承していこうというチーム・ニカオプの皆さんは若者中心のチームでした。十数人のメンバーで行っているとのこと。普段は北海道の各地や都内に住んでいるメンバーもいるとのことでした。
最後は希望者参加で唄と踊りの実演。せっかくなので私も参加させてもらいました。「オゥ!!ハッ!!』というような男性たちが行うかけ声などを見よう見まねでやってみましたが、とても気持ちが良かったです。
アイヌの文化、日本の伝統的な文化、その他の様々な民族についての諸々、最近は自分たちの音楽や生活のことを考えるにあたって、とても興味を持っています。僕らは西洋の音楽をベースにした楽曲を作ったり楽しんだりしているわけなのですが、それはどうしてなのか、よくよく考えたら、とても不思議なことなのではないか、そんかこと考えます。どうして欧米に憧れ続けないといけないのか、アフリカや南米、中東やアジアも含め、世界全体を欧米化しようとするのは何故なのか、これはとても重要な問題だと思います。
というわけで、とても有意義な北海道公演になりました。スタッフの皆様、参加者の皆様、どうもありがとう。