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アルファベット順に紹介しているNANO MUGEN FES.出演者紹介。今回は訳あって飛ばしていたDr. DOWNERを紹介します。理由は単純に試聴用の音源が準備できていなかったからなのですが。
まずはMITCH IKEDA撮影の彼らの新しい写真を。
彼らは7月6日に、私のやっているonly in dreamsというレーベルから新譜を出します。「ライジング」というアルバムです。これは私が監督しました。プロデュースではありません。彼らの音楽活動を少しサポートしただけ。(こちらの対談に詳しい経緯が載っていますので、是非。)
このバンドはアジカンが活動の基盤を置いている横浜/横須賀界隈のバンドなのです。主にライブハウスを現場として活動しているパンクバンド。
デモやら音源やらをもらう度に「Dr.DOWNERの音源、もっと良くなるだろ」と思っていた。その気持ちがある日に爆発してしまって、「この間もらったデモ、俺にミックスやらせて」と打診し、直接関わることになりました。前作の「さよならティーンエイジ(EP)」はスタジオで彼らがマイク7本で録ったメチャクチャな音源にイノマタのボーカルを私の作業場で録音、ミックスし直したものです。7本のマイクが被りまくって、バスドラのマイクにベースが乗って何が何やら分からなかったり、シンバルのチャンネルをどう聴いてもスネアドラムの音しか聴こえなかったり、はっきり言えばバカ音源だったのですが、私はそれに猛烈に感動して手伝うことを決めたのです。
今回の「ライジング」は彼らが練習に使っている地元のスタジオで、「崩壊アンプリファー」でお世話になったエンジニアの岩田さんと録音しました。バンドの要望によりオール1発録音。バンドにとっての「現在」、そういう空気をパッケージできたと思います。彼らのライブはとても激しいし衝動的なものだけど、少しだけ整理して、あとは彼らがもっと社会と接続したい、つまりクラブチッタみたいな箱でワンマンやるんだっていう外向きの気概の現れをパッケージできたと思います。パンクバンドが外向きに開く瞬間のマジック、好きなんです。
「クソみたいな日常なんだ」とイノマタは言う(「言ってねぇ〜」って言いそうだけど)。うそぶいているのかもしれない。でも、なにかこう、彼らの日々のモヤモヤが偽ることなく音楽になっているし、ダラダラと諦念を綴っているようでいて、実は希望を歌っている、そういうところに私は魅力を感じます。突然、言葉が自分の傍らに合ったり、それでいて突き放すようなことを言ってみたり。共感だとか、そういうところでベタベタしていないところも好きです。
PCの方は再録した「さよならティーンエイジ」を。面白くなっていく予感がしますよね。彼らがチッタでワンマンをやる日が来たら、本気で泣いてしまうと思う。というか、想像しただけで泣けます。
良いバンドですよ、Dr.DOWNER。