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渋谷のシアターNにて上されている、ロックバンドbloodthirsty butchersのドキュメント映画「Kocorono」を観に行って来ました。
PCの方にはこちらが予告編。
携帯のひとようにも画像を。こちらは私のPCのスクリーンショットです。映画のオフィシャルホームページの模様をパシャリ。
バンドというのは本当に難しいと思う。バンドそれぞれに「難しさ」というのは違うので、一様に比べようがないのだけれど、その「難しさ」が生々しく現れていて、胸がチクチク痛んだり、全身の毛穴がキューっと収縮したり、笑ったり、とにかくいろいろなことを感じる映画でした。最終的には、ちょっと姿勢が正しくなって会場を出てこられたかな。格好良い大人になりたいと思った。その「格好良い」は私がブッチャーズに感じているものなのだけどね。言語化するには、ちょっとまだボキャブラリーが足りないな。
やはり、複数の人間が集まって何かひとつのモノを創作するということは、楽しいけれど、お互いの相容れない部分の確認という面倒な作業を伴っている。少なくとも、私にとってはそういうものだ。全てが自分の思い通りになった作品は1曲としてない。それぞれの自己完結されたアイデアの寄せ集めでなく、集合体として作品は完成をみるので、メンバーのアイデアも自分の趣味や志向とは関係なく自分の一部になってしまう。それがバンドの、音楽の特殊なところだと思う。例えば、連歌のようにはいかない。もっとお互いが干渉し合う。同時に鳴らすのだからね。だからこそ、その瞬間の重なり合いこそが魅力なのだけど。
北海道、愛知、福岡、沖縄でも順次公開が予定されている模様。
バンドをやっているひと、ロックバンドが作る音楽が好きなひと、そういうひとは是非観に行ってみて下さい。
それから、自分たちのツアーのことを考えた。
例えば、今、金澤ダイスケが我々のツアーに加わっていることで、本当に私自身の音楽生活は実りの時期を迎えている。これほどまでにステージで開放感を感じることは、今までなかった。彼のサポートによって、錆び付いて軋んでいた部分がスムーズに動くようになったのは事実で、実際に彼がこのツアーに参加していなかった場合のことを思うと、少し恐ろしい。そのくらい重要な役割を担ってくれている。
そのツアーも、終わりを迎えようとしている。年が変わったあたりから、なんだか少し寂しい気分になっている。同時に、ステージで過ごす時間への愛おしさが増している。そうやって、一本づつ、このツアーは終わりに向かっている。
濃密な演奏がしたい。別に目一杯弾き倒して音符で埋め尽くすとか、そういう意味ではない。バッキバキに研ぎすまされた集中力と緊張感の中で、自分が自分ではなくなってしまうような瞬間を重ねたい。感覚としては、無音に近い。そういう場所に辿り着きたい。年に、一回あるかないかだけど。
最後にPCのひと向けに、ブッチャーズの最新アルバム「NO ALBUM 無題」からのPVを。
映画のタイトルにもなっている「Kocorono」というアルバムは、日本のロックの名盤中の名盤なので、こちらも是非聴いてみて下さい。