投稿者:グリーンブック/20/male/東京
本文:『新世紀のラブソング』についてなんです。まさに新しいスタートに相応しい、素敵な楽曲です。以前、後藤さんの日記(2009年2月)に書かれていた「深夜に開く扉」…それが『新世紀のラブソング』に繋がったんですよね?(記憶違いでしたら、申し訳ありません)どういった経緯で、その扉が開いたのでしょうか?この楽曲のどの辺りが、最初に後藤さんの頭の中で鳴り響いたのでしょうか?とても好きな楽曲なので、それが産声をあげた経緯が知りたいなと思っています。
A.
その通りです。2009年2月27日の日記に書いてある「たった30秒の断片」というのが、「新世紀のラブソング」の原型です。
最初に作ったのはイントロのリズムパターンと逆回転のギター、そしてベースラインです。簡単に言うと、歌が入ってくる前のイントロの部分ですね。そこが最初に出来ました。その部分が30秒だったんです。たった30秒の短いトラック。それだけで、もう完全に新しいモードの到来を感じたというか、これは何か凄い曲になるという予感がズシャッと脳ミソに突き刺さってきたのです。夜中に。鈍器で殴られたような衝撃ってあるではないですか。それとは全然違います。こう、感覚の内側の暗黒の奥底に小さな亀裂が入って、小さな光が見えたと同時に、電流のような衝撃が広がるような、そんな風景をイメージして下さい。
それからは、このトラックのループを延々と聴いていました。そこに乗るはずの正しいメロディと言葉を探すために。ツアー中、人気のない高松港の防波堤で、メロディや譜割を探したりもしましたね。かなり大きな声で、思いつくままに適当なメロディと言葉を歌ってみるという作業なのですが、他人に見られなくて良かったです。端から見たら、不気味な感じだと思うので。
そうやって、最初のインスピレーションを徐々に肉付けして行くことによって、曲は完成します。
即興の中から、良い瞬間を切り取ることの積み重ねですね、私がやっているのは。