浜松、岐阜公演を終えて、今日は建さんと一緒に岐阜県可児市にあるヤイリギターへ行ってきました。
前々から、どこへでもも持っていけるようなアコースティックギターが欲しかったのだけど、なかなか自分に合うものが見つからずに悶々とした日々を過ごしていたのです。
「だったら、オーダーメイドっていうのもアリじゃないか!」と思い、日本を代表するギターメイカーであるヤイリギターにギターを作ってもらうことにしたのです。本当に前々から憧れていたので、とても嬉しいです。
到着しました。ヤイリギター!
二階のギャラリースペースでいろいろなギターを試奏させていただいた後、工場を見学させて頂きました。
本当に、全てが手作業。
職人さんたちの技術の結晶なんです、アコースティックギターは。
今日の模様は、私がやっているレーベルのHPで公開しますので、是非、チェックして下さい。
来週にはアップできるのと思いますので。→
コチラ。
そして、アコースティックギターに使われる木材を話を少し。
アコースティックギター、通称アコギは基本的にネックもボディも木でできています。木を切って、削って、磨いて、そういう工程を経て、芸術的とも言えるあのフォルムに辿り着くわけです(詳しい工程についてはonly in dreamsのHPで)。
で、その、特にボディの部分に使われている木の中でも、最もギターに適していると言われている木材がありあます。ハカランダ(ブラジリアンローズウッド)やマホガニー(ホンジュラス産)という名前の木です。
これらの木は、昔からギター用に重宝されてきたのですが、最近ではなかなか手に入らなくなってしまったそうなのです。
南米では農地に使うためなど、大規模な森林伐採が進んでいます。資源自体が減少してしまい、上記のような木は減少しているそうなのです。また、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)でも輸出入が規制されているため、手に入りにくくなっているとのことでした。
これはどういうことかと言うと、ヤイリギターに関わらず、世界中のギターメイカーにとって、これからは木材の入手というのが、大変な問題になってくると。そういう話です。
ですから、最近では樹脂のギターなどもありますよね。これはそういった材料の問題を見越したメーカーの対応でもあるとのことでした。ヤイリギターでも新素材のテストなどを行ったことがあるそうなのですが、やはり木にこだわってギターを作っているとのこと。
木材は何年も寝かしてからギターになりますので、あと10数年はウィスキーのように倉庫で寝かされた木材がありますから、変わらずに制作できるとおっしゃっていましたが、その先はなかなか厳しいというお話でした。もちろん、ハカランダなどの木材はとても高価になっていると。
こういう風にして、遠くアマゾンの森林破壊が、自分たちが普段使っているギターの話に結びついてくるのですから、とても不思議です。
ギターのために森林が伐採されているわけではありませんが、先進国としてグローバルに展開される世界経済にドカンと足を降ろしているわけですから、まったく関係のない話ではありません。
この時代に行きていれば、環境の問題に自然と意識が行く昨今、いろいろ考えさせられます。
ちなみに表の盤面に使うスギの木などの材料も(シベリアなどから運ばれてくる)、段々質が落ちているとのことでした。
そこで、ヤイリでは日本で採れるの木材でもギターが作れないか、いろいろ試しているそうです。
ケヤキや桐など(ちょっと記憶が怪しいのだけど、ブナとかシイとかも言ってたかな)、日本の和楽器に使われている素材などが中心だということでした。ドーンと豪快に鳴り響く感じではなく、日本の楽器らしい繊細な音になるという話でした。ちょっと弾いてみたくなりますね。どんな音なんだろう。
日本で育った木で日本のメイカーがギターを作るって、なかなか素敵な話だと思いませんか?
例えば、やせ細ったスギの木などの針葉樹が密集し、手つかずになって荒れている森などに新しい木を植える。そうして森を手入れしながら、そこで育った木を使ってギターを作る。そんなサイクルが出来たら、とても面白いなと私は思いました。
ジャパンメイドの楽器が、日本の森を豊かにする。そう考えるととてもロマンティックですよね。
そんなに大規模なことにはならないでしょうから、かなり大げさな話ではありますが。
今回作るギターとは別に、日本の木で作ったギターも欲しくなってしまいました。
最後はヤイリギターの社長と記念撮影。
とても良い一日でした。
私の日記では、もしかしたら内容に多少の誤りや誤解があるかもしれません。
今回の取材では、職人さんの話を沢山伺ってきまして、それも記事としてonly in dreamsに掲載しますので、是非、皆さん読んでみて下さい。
ギターの工場の内側なんて、なかなか観られないですから!
では。