横浜市は鶴見にあります東洋化成さんにて、アナログ工場見学。
前回の続きです。
さて、まずは最初の作業、我々がスタジオで録音した音源を「ラッカー盤」という盤に彫り込んで行きます。
ラッカー盤はその名の通り、アルミの板にラッカー塗料を吹きかけたものです。
写真はその機械。
下のツマミだらけのミックス卓では、レコードに音源を刻み込んで行くにあたっての音量、音質などを調整していきます。
あまり大きい音で入力すると、溝と溝が繋がってしまったり、音が割れてしまったりするためです。
作業に集中するエンジニアの西谷さん。
今回のレコード制作では17cmのラッカー盤を使って、2曲入りのシングルレコードを制作。
アルバムの曲間は中央のECHOというボタンを使って手作業で長さを決めるというのだから驚きです。
レコードを作るのって、本当に隅々まで人のチェックが必要。
和むヤツら。
まずはA面(表面)が完了したので、溝の具合をチェック。
このあたりも、実際にひとの目で確認していきます。
モノラルは左右対称、ステレオは左右非対称の溝が出来ます。このあたりも面白い。
B面(裏面)の作業がスタート。
右側の部分にルビーやサファイヤの針がついていて、音を刻み込んでいきます。
針は実際に音楽で振動していて、その振動を盤に刻むというのがレコードの構造なのです。そして、聴くときにはその溝にダイヤモンドの針を落とします。
音が直接、盤に刻まれているというわけ。不思議なのだけど、そういう仕組みで音が鳴っているわけです。
CDなどはデジタルの信号なので、直接音を刻んでるというわけではないのです。
このあたりが、レコードが愛される理由なのかもしれません。なにしろ、直接音が刻まれているのですから。
見入るヤツら。
そして、最初の写真と同じ機械でそのまま聴けたりします。
ここで初めて、レコードに刻まれた音を大きなスピーカーから流してチェックするのです。
レコードは物理的に音を溝として彫って行くので、CDとは少し音質が変わります。
アジカンの音源の場合、中域、主にギターの音が太くなったように聴こえて、CDとは別の厚みが出ます。ただ、CDよりは音が丸めになります。そこがかえって温かくて好きというひともいます。
聴くヤツら。
というわけで、最初のラッカー盤が完成です。
次の工程は次回ということで。