六ヶ所村ラプソディー
カテゴリ:日記
前々から気になっていた映画「六ヶ所村ラプソディー」、そしてその続編にあたる「六ヶ所村通信no.4」を観た。

青森県の六ヶ所村にある核燃料の再処理施設にまつわるドキュメント映画だ。







我々ミュージシャンは電気をジャブジャブ使って活動している。使っている楽器も多くの機材も、そのほとんどが電気なくしてはならないものだ。

日本の発電の約3割は原子力発電。もちろん、私はその恩恵を授かっている。



原子力発電所では放射性の高い使用済み核燃料が年間で1000トン以上出てしまう。簡単に言えば、放っておけば溜まる一方の使用済み核燃料を処理して再利用できる核燃料を取り出す施設が再処理施設だ。燃え残りのウランやプルトニウムが回収される。

放っておけば地下に埋設するしかないこの使用済み核燃料から新たな核燃料を取り出し、それをまた発電に使う。さらにまた生まれる使用済み核燃料からも核燃料を取り出す。これをサイクルとして確立することが目的とされている。

話だけ聞けば、核燃料のリサイクルなのだということがわかる。私も大学の一般教養の授業でそれを知り、うまくいけば夢のような話だと思ったものです。



だけれど、その問題も指摘されている。



例えばプルトニウムの使い道。

「高速増殖炉もんじゅ」という名前はニュースなどで聞いたことがあると思うが、ウランにプルトニウムを混ぜた燃料を使用し、さらにプルトニウムを生成するこの原子炉は実用されるのが2050年以降だと言う。実現したとしてもかなり先の話だ。

最近ではこのウランとプルトニウムを混ぜた燃料を軽水炉と呼ばれる標準的な原子炉で使用する「プルサーマル」と呼ばれる発電方法が計画されているが、その数は少ない。

つまり、強い放射能を持ち猛毒でもあるプルトニウムがあまり続けるということ。



高レベルの放射性廃棄物(何百年も管理が必要な物質)の最終処分場所も決まっていないという。

それでも我々は原子力発電で作られた電気を日々消費していて、この行く宛のない廃棄物が年々溜まっているということがとても恐ろしい。「トイレなきマンション」とも言われているとのこと。



つまり負の遺産を垂れ流しながら、我々はテレビを観たり、こうしてパソコンを使って交流したり、エレクトリックミュージックを作ったり聴いたりしている。

だから、とても複雑な気分だ。



六ヶ所の最処理施設がまつわる問題もそうだが、根本的に原子力発電が抱えている問題のほうが深刻なように思う。それはもう、我々の使用する電力の3割を作り出すまでに私たちの生活に組み込まれているのだから。

再処理施設の是非以前に、そこで再処理される放射性廃棄物を生み出しているのは他でもない我々の生活なのだ。



うまく対象化することが出来ないのだけれど、とにかく皆が知るべき問題だと思う。

考えてみる必要があると思う。

世界中はCO2の問題解決に躍起になっているけれど、原子力発電で生まれる核廃棄物のほうが危ないのではないかと私は思う。

木を植えたり、なにかエコロジーな活動をしたり、そういうことではどうにもならないモノだから。



皆さんも是非、一度観てみて下さい。





■リンク



六ヶ所村ラプソディーオフィシャル・ウェブサイト



六ヶ所原燃PRセンター



なるほど!原子力AtoZ



関連リンクが充実しているので、こちらのサイトも紹介しておきます。



パタゴニアのホームページ



私もいろいろ考えているところです。

何が「行動」なのかはまだ分からないけれど、ひとまず、皆に紹介したいと思いました。





※内容に関する誤りが合った場合は修正します。指摘して下さい。
2009-09-27 1253978340
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