今年の我々の仕事納めは27日。
都内のスタジオにて来年のライブのリハーサル。
1時から7時半までミッチリと練習。
写真はスタジオの片付けの模様。
スタッフ、メンバー、全員で機材を撤収。
2008年が終わろうとしている。
我々にとってはとても活動的な一年だった。
個人的には「ワールド ワールド ワールド」はもちろんだけれど、「サーフ ブンガク カマクラ」というアルバムが出来たことがとても大きかった。
やっぱりアルバム制作というのはメンバー4人でガチンコ対決をやっているので、楽しみながらもストレスがある。全てが自分の思い通りになるわけではないからね。そこには4人それぞれのジャッジがあるけれど、最終的にはバンドとしてのジャッジとして落とし込まなくてはならない。だからエゴを通したい気持ちと仲間と協調して行きたい気持ちなんかがバッチンバッチンぶつかって、振り幅の大きな葛藤がある。
ところが年月を重ねると、やっぱり協調のほうが勝ってくる。これはコミュニケイションを円滑にする方法を獲得したり、良好な関係性を維持したいという欲求が高まったり(これはその逆の場合を知ることによって)、つまりそれは組織に属する「経験」から来るものだと思う。
4人でASIAN KUNG-FU GENERATIONみたいな気持ちの高まりもあるけれど。
でもやっぱり、エゴを貫かないといけない。
これは表現者としては当たり前のことかもしれないのだけど、半人前の私にとってはとても重要な発見だった。
ただ、貫くためには他の人の何倍ものエネルギーやバイタリティが必要。
わがまま言うのとは訳がちがうのだからね。
でもまあ、相手も手強いからなぁ。優しい顔してるけれどね。
ははは。
とにかく今年は「未だ見ぬ明日に」が終わって燃えカスのようなメンバーを尻目にガッツリとやりたいことがやれた。
全くもって息切れなしで取り組めたからね。ひとりだけフルスロットル。
でも、今になって思い返してみると、それはそれでしっかりとメンバーに手綱を握られていたような気もする。
「やりたいことをやったらいい」という顔をみなしてくれて私はしたり顔だったけれど、なんだかんだで彼らのほうが一枚上手な気もする。
私はとても単純だからね。
でもそれで良いと思った。
何かこう、エゴを振り回すことに対する罪悪感みたいなものがいつもあったし、これからも少なからず4人で活動するときにはそういう気持ちがついてまわると思のだけど、私はそれで良いと思う。
そしたら彼らは、もうひと回り大きな手のひらを用意して私をそこに乗っけようとするはずだ。
そういう信頼もアリだなと思った。
だから自信を持ってやろうと、自信なんかなくても思い切ってやろうと、そういう気分を獲得した。
「面倒くせえ」と思われてるだろうけれどね。
それで良いのだ。
話しは世相に移って、今年は随分暗い雰囲気の年末。
我々、アジカンの地元神奈川でも雇用の問題が起こっていて、ニュースなどで大きく取り上げられている。
これにはなんだかやるせない気持ちになる。
ワーキングプアに関する書物を何冊か読んだことがあるけれど、このような不況に陥る前から酷い労働条件に苦しむひとたちは沢山いたわけで、そうすると真っ先にそういうひとたちにしわ寄せが行くということは想像に容易い。
そして、この問題は我々の世代にとっては他人事とは思えない。大学を卒業するころは就職氷河期だったし、場合によっては私だってという気持ちがある。
こういった状況は防ぐことが出来なかったのか?
例えば、アメリカの住宅(というか消費)バブルがいつか弾けることなんて、どんな経済書読んだって実際に弾ける前から書いてある。
私が知っているくらいだから、政治家や官僚や大企業の経営者が知らないわけがない。
それに伴って円が高くなること(ドル安)も想像できただろう。(1ドル=80円くらいが適正だという文章も読んだことがある。実際にその通りになっている。)
よく考えてみると、アメリカにバンバン物を買ってもらって世界経済が成長している裏では、こうして切りやすい雇用が着々と用意されていたような、そんな気になる。いつか弾けるバブルのために。
予見できなかったのではなくて、予見したうえで準備が成されていたとなると、ちょっとこれはタチが悪い。
これはあくまで素人の想像だけどね。
こういう時代を打ち破るような雰囲気が欲しいよね、日本にも。エネルギーに満ちあふれたリーダーも欲しいけれど、その望みは薄そうだ。
というか、仕組み自体に閉塞感を皆が感じている。
にもかかわらず、牛歩!!!って感じでイライラする。
とくに国の仕組みを変えたりは出来ないけれど、こんな閉塞感やイライラを吹き飛ばすような、そんな決定的な1曲を私は書きたい。
来年はとにかくその1曲のために時間を使います!!!