シリーズ 秋の夜長に 名古屋編
カテゴリ:日記
記事になった2万字インタビューを読んだ。

2万字インタビューというのは某雑誌の名物コーナーで、まあ簡単に言うと半生を語る的な、そういう企画。



本当はこの企画を一生引き受けるつもりはなかったのだけどね。



なんというか、雑誌で自分の半生を語ることって、余程自分のことが好きでないとできないだろうなという印象がずっとあって、自分はそういう類の人間ではないと思っていたことがひとつ。単純に半生を人に話すなんて恥ずかしいとインタビューが終わった今でも思う。



それから、自分の目線だけで自分史を綴って、語って、そういう場合は大概、そこに出てくる家族だったり、友人だったり、そういう人たちの目線は除外されてしまうというか、どれだけ想像しても重なり合わない部分もあるだろうから、結果として誰かを傷つける可能性があるということがひとつ。

そういう想像力の欠如は、自分が歌っていることとは真逆に位置するから、実際にインタビュー中にもこのことが頭を離れなかった。



それから、やっぱりプライベートのことには興味を持って欲しくないという気持ちも少なからずある。

我々も人間だから、人前に出ることが生業になっている時点で受け入れないといけない好奇心もあるけれど、積極的にそれを煽ることは避けたいと思っているのも事実だよね。

自分だけならまだしも、自分以外の家族や友人まで好奇の目で見れられてしまう可能性もあるからね。それだけは本当に耐えられないから。



でもまあ、今回はインタビューを引き受けた。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONが充実した季節を迎えているということもあった。2008年は間違いなく我々にとっての節目の年になったから、精神的な解放感が手伝ったのも事実。

編集者をとても信用しているということもあった。

デビュー当時は叩かれたり、誤解されることが多少あった我々を、真っ向から評価してくれた所謂音楽評論家(この呼び方はちょっと違う?でもライターだとニュアンスが違う。音楽ジャーナリストが相応しいかも)はこのひとを含めて2人だけだ。

事実、インタビュー中、そして編集においてとても細かい気を使ってもらった。自分で話したことなので、それは読めば分かる。



で、私が今回の日記で言いたいのは、2万字を受けなければ良かったということでも、言い訳でもなんでもなくて、こういう機会を与えてもらったことを感謝しているということ。

お陰で忘れ物が全部、今夜届いた。

それには、新しい心持ちで新しい曲を作るために必要だったフィーリングが詰まっていた。



苦手なことも、やってみるものだね。



読んでくれたひとも有り難う。

でも、出来たら、そこで読んだことは心の奥にそっと仕舞うか忘れるかしておいて下さい。やっぱり恥ずかしいから。ははは。



私は、あなたが今日食べた野菜を、農業を営む名前も知らないひとが自分の普段の暮らしぶりをあなたにアピールすることもなく、ただ丹精込めて野菜作ったように、そうやって日々の暮らしの中で音楽を作りたいと思う。これはもちろん、人前に出る私たちにとっては極端な例え話だけど。



そういう誠実さだけは失わないように、というか私はそういう誠実さだけを信じている。



ここ何日か、かなりダウナーだったけれど(インタビューのせいではないよ)、さっきまでヘトヘトだったけれど、今日は良い日だった。

良い日になった。







では、最後に、恒例のアレを名古屋バージョンで。





きしめん!!







きしめん!!!









僕、キタケ~ン!!!



キヨシから貰った写真だけど、この顔腹立つわ~!!!ははは。
2008-10-24 1224780780
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