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Radioheadの新しい作品を購入した。
彼らのオフィシャルサイトからダウンロードした「In Rainbows」というフォルダには10曲の新曲が入っている。
今回の彼らの新作のリリース方法はとてもユニークで、前述のサイトからダウンロードするか、ブックレットやDISC2などがついたCDを同サイトにて予約注文することで手に入れることが出来る。ダウンロードに関しての値段は設定されていなくて、「up to you」つまり「好きに値段をつけなよ」ということだ。パッケージされた盤に関しては40ポンド、そしてダウンロードも可能になる。
好きなものは手に取りたい俺は後者を注文。
音楽とメディア。
現在はCDというのが、楽曲を発表する場合の最もポピュラーなメディアだ。小学生の頃に、我が家に初めてCDプレイヤーが来た日のことを憶えているよ。ダブルカセットのAIWAのヤツだった。子供だったから、よく分からなかったけど、大変な変化だったのではないかなと予想する。メディアが変わると、楽曲の発表方法にまつわる力学が変わるからね。例えば、途中でひっくり返すか否かは曲順を決めるうえでとても重要な事柄だと俺は思うわけ。
話の時間を大分進めてみる。
CDというのは、一曲一曲、頭出しが出来る。曲順をシャッフルしたりもね。CDショップには試聴機が現れて、3曲目までが特に良いアルバムが増えた。ような気がする。大袈裟な言い方だけど、あながち間違いではないよ、きっと。
もう少し進める。
でもこれは今まで以上に劇的な変化。
CDの音をパソコンに取り込めるようになったのだ。CDはもうただの入れ物だね。中身をすっかりハードディスクにコピーできるのだもの。CD自体も、言ってみればマスター音源のコピーなのだから、出来るよね、それは。コピーした音源を圧縮して持ち歩けるプレイヤーも完成。そして普及。
ベストアルバムがやたら売れるようになったのと、きっと関係があると思うのだけど、違うかな。
さらにもう改行一回分話を進めて、そのコピーたちはネットワークを通じてダウンロードが可能になった。
CDショップに行かなくても楽曲が手に入る便利な時代の到来だね。AIWAのCDラジカセを手にしたゴッチ少年に現状をそっと耳打ちしても、きっと信じてはくれないだろうね。当時は携帯電話がショルダーバックみたいだったんだからさ。
CDは、いつの日か無くなるかもしれないね。
何も、アルバムやシングルにしなくても、プラスチックの円盤に書き込まなくても、ホームページなどで自由に楽曲を発表出来る時代なのだから。音楽から経済を切り離して「俺は人に聴いてもらえればそれで良いのだ!」というのなら、その方法が最も直接的だよね。我々は罪深い職業だと思うよ。そうはしないのだから。
良いものを作るにはお金がかかる。お金が欲しくてやっているわけではないけれど、職業を切り離したところには個人の生活がある。芸術や表現の反対側には常に経済ってヤツがいて、ソイツには媚を売るまいと思ったり、なんだかうしろめたくなったりする。
話が逸れた。
もう、メディアに捕われなくて良いと思うのだよ。
形態に関しては、何だって選べる。
何も「アルバムをCDで」ということにこだわらなくたって良い時代になった。「アルバムは10数曲くらいって誰が決めた?」「なんでシングルは2~3曲入り?」という話。最早、あらかじめ用意されたフォーマットに乗っかる必要はないのだ。
だから逆に言うと、我々は能動的に発表形態を選ばなくてはいけない。
アルバムを10何曲で作って、CDというメディアに入れて発表するならば、それには理由がないといけない。「何曲か出来たんで、まとめてみました」というのでは、切り売りされてしまうね。もちろん、それが悪いというわけではないのだけど。極端にそういう方向性のものはダウンロードに移行するはずだよ。
話が長いね。
俺はやっぱり、今は「この曲順でないとイカンのです」というものを何曲かにまとめたものを出したい。何曲かでひとつの作品となっているものを。
あと3枚分くらいはアイデアがあるしね。2曲入りか19曲入りかは作ってみないとわからないのだけど(1曲で完結してしまったりしてね)。曲数にこだわる必要はないからさ。
きっと、時代とともにメディアは変わっていくからね。どうなるかってのは10年も先まで保証は出来ないのだけど。
リスナー側にもメディアを選ぶ権利がもちろんあるから。
今ふと思ったんだけど、CDは回転しているんだよね。
多分、回転させたいんだと思うよ。レコードもカセットも回ってたからね。そういう呪縛があるんだと思うよ、心のどこかに。音楽がデータになってしまっても、その入れ物が回転しているってことに何か意味があるような、そんな気がするな。
支離滅裂になってきたから、この変で話は終わりにしよう。
■最近の活動/行動
14日。休み。PCで作曲に没頭。
今日の写真はキタケンスケ画伯に書いて頂き、俺が配色しました、エコバックのデザイン。
売れそうになくて良いなぁ。買い物に行く気を削ぐね、ナイフのように。逆に鋭利だ。
バンド名などをちょこちょこっと配置して、バックにプリントされ、次のツアーの物販に並ぶ予定です。
スタッフに「これでは無理です」と言われない限りはだけど。