ウッコリしてました
カテゴリ:日記
22日。リハーサル。

久しくやっていない曲達の練習。演奏は良いのだが、歌詞がなかなか出てこない。テキトーな歌詞で歌っていたらメンバーから「歌詞飛びまくりだな」と指摘された。脳のメモリーが足らん。

そして新曲セッション。バンドは精神的に閉じることなく新しいモードに突入出来そうな雰囲気だ。ファンクラブからコンピの「十二進法の夕景」、そして鉄コン筋クリートのために作ったシングルと、ここのところシリアスな音像と歌詞という流れが続いていたのだけど、久しぶりにバンドがユーモアやポップネスを取り戻しつつあるように思う。でも、一筋縄ではいかないけどね。また、自分達にとって新しいことをやるんだ。



23日。取材。

取材はやっぱり大変だ。何人かのライターさんか同じ質問を人数分受けるわけで、何本もやっていると正直言って同じ事を何度も言うことに疲れてしまうこともある。だからちょっとづつ言い方を変えたりして飽きないようにしたりね。意味を変えずに。

あと、アジカンの場合、スポークスマンである俺だけがインタビューを受けるということが少ない。いつもだいたい4人。もしくはケンと俺のふたり。まあ、キヨシュなんか聞いてるばっかりで何もしゃべらんとあくびとかしているけど、俺が何を考えているのかっていうのがインタビューを通して伝わったり、他のみんなが何を考えているのかがわかったりするから、全員でインタビューを受けるということはすごく意味のあることだと俺は思う。



ファンクラブ解説。その11。

タイトロープ。

この曲はRe:Re:ツアーの沖縄セッションを原形に制作した。チューニングは沖縄の三線という楽器をヒントに、4弦をEにしてEAEGBEという並びになっている。そして、勝手に「三線チューニング」と読んでいる。これで普通にEとAのローコードを4弦の開放を使ったりして弾くと簡単にタイトロープの雰囲気になるので、ギターを持っているひとは試してみて欲しい。

作曲当初は4/4拍子の曲だったのだが、山ちゃんのアイデアをもとにレコーディング後半のプリプロで6/8拍子に変えたところもの凄く良い化学変化が起き、現在のかたちになった。

とにかく、ケンとふたりで泣けるギターアレンジが出来たと思う。本当にアルバムのラストを締めくくるにふさわしい曲。この曲がアルバムの世界に僅かな光を灯すよな、傑作だと思う。



というわけで、ファンクラブ解説は終了です。

このアルバム、間違いなく最高傑作だと俺たちは思っています。うん。

こう、音楽がどんどんインスタントなものに変化しているような気がして、科学調味料たっぷりの料理が食った瞬間にウマいみたいな、そういう雰囲気をネット社会とか世の中とかTVとかに感じていて、俺はそういうのとは真逆な、もっと地道にゆっくりとリスナーの心に染み込んでいくような音楽が作りたかったのです。ずっと、それをテーマに掲げて制作していました。

ある種の魔法かもしれないね。くさいけど。じんわりとしか効かない感じ。でも効いたのなら一生解けませんよ、みたいなね。そういう魔法です。

時間をかけてでも、このアルバムを気に入ってくれるひととは何かきっと通じ合うもんがあるよなぁ。「ファンクラブ」というタイトルにはそんな意味も込めて。
2006-09-24 1159028400
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