ロールスロイス meets パールライス
カテゴリ:日記
22日、休み。

原稿を書いたりギターを弾いたり、ギターを弾いたりギターを弾いたりとミュージシャンらしく休日を過ごす。というのも宅録の機材が結構整ったので、さすがにアンプから音は鳴らすことは出来ないが、アンプシュミレーターを使ってギターを弾き、それを録音している。

まあ、アンプから鳴らす音には全然かなわないけれど、エレキギターを素で弾いて練習するほど切ないものもないので、自宅でということを考えると十分すぎるほど楽しめている。

そしてキョシーンに「そんなリズムパターンは糞だ」と言われることが明白なリズムパターンを打ち込んだり、ヤマーンが「無言で弾かない」という静かなる抵抗を食らいそうなベースラインを打ち込んだりしている。



こういう自己満足の極みみたいな時間と音楽。

最高。





23日、休み。

ストレイテナーのワンマンに行こうか行くまいかずっと悩んでいたが、体調のことを考えて行くのを止めた。明日が休みだったら完全に行っていたのだけど。



ということで、午前中はギターを弾く。

その後、散歩にでも行こうかと思い、近所の動物園にプラっと行く。園内では「コアラを探せ」という企画の真っ最中で、どうやら園内に隠れたコアラを探せということらしいので探してみることにした。

するとどうだろう、ロバの檻の中の木の真ん中あたりに、かなり強引な方法でコアラのぬいぐるみが縛り付けてあるではないか。ぬいぐるみのまぬけな感じ、そして縛り付けられている痛々しさ with ロバ、どれを取ってもシュールとしか言いようのない状態で笑わずにはいられなかった。



4体中3体しか見つけることが出来なかったが、どれもアブない隠し方をされていてウケる。

あと、個人的に思ったのだが、糞尿をまき散らしたり、投げたりする動物が多すぎる。迂闊に近寄れない。特にシロサイは後ろに向けて糞尿を発射するらしいので要注意。



そば屋で一杯やり、そばで締めて帰宅。

そしてまたギターを弾く。





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ソルファ全曲解説、番外編。「サイレン#」





サイレンは男性と女性の視点から同じシーンを描いた曲。女性側の視点からのサイレンはシングルに収録されている。



サイレンのカップリングは当初、インストにしようと考えていたのだが、「何かしらのボーカルを入れたい」ということで、スタジオに入っているうちに別メロディーがものの30分で出来たという、アジカンの曲の中でももっとも早くメロディーが出来た曲だ。

本当はもっとささやかに歌を入れる予定だったのだが、不思議とどんどんメロディーが出て来て自分でも驚いたのを覚えている。

メロディーを作るときに決めたルールは「叫ばない」ということと、なるべくシングルのサイレンの歌がない部分に歌を入れること。後記の部分については歌入れが盛り上がって、そのルールを守るのは無理だったので、構成的に1パートずつ歌をずらして入れてみることにした。



詩に関しては、この曲が表現しているシーンを映像として前々から想像していて、「掴まれた女の人のことを書きたいなぁ」と漠然と考えていたので、これもまた本当にスラスラと出て来たのを覚えている。

正直言って、ここまでの完成度になるとは自分でも思ってもみなかった。



トラックに関しては基本的にシングル曲と同じだが、キヨシのドラムとヤマのベースは完全に素材と捉え、エンジニアの高山さんの手によってバラバラに分解されている。ブレイクビーツ的な手法。

本当は4つのコードでベースラインは動いて行くのだが、「冷めている」感じを出すために1コードに変更した箇所がイントロと間奏にあって、狙い通り原曲のサイレンより冷たい感じを出せているところが気に入っている。

当初はシングル曲のサイレンと長さを同じにする予定だったが、イントロとアウトロが長くなってしまった。



この「サイレン#」の一連の作業は、メンバーをスタジオから追い出し、エンジニアとディレクター、俺の3人で行った。「切ったり貼ったり」をコンピューターでかなりやることが予想されたので、他のメンバーの各楽器へのこだわりを聴いていたら船が山に登るなと思ったのと、ただ単に一人で勝手にやってみたいという欲求から。

基本的に、演奏部分が出来あがっているところに歌をつけるという行為そのものも初体験だったし、メンバー抜きの作業も初体験だったので、かなりドキドキワクワクしたのを覚えている。



ミックスも同じくメンバーを呼ばずに行い、「買って聴け」と乱暴なことをメンバーに言っていたのだが、取材があったのでやむなく大阪でメンバーに聴かせた。本当はマスタリングまでは最低でも内緒にしておきたかったのだが。



2曲で1つのシーンを現している曲だけれども、片側からみた世界のみというのがどっちの立場からしても現実なので、アルバムに入れることにした。ただ、全部ではないにしろ薄く「サイレン#」が入っていほうがより現実という感覚に近いと思ったので、イントロ部分のフェイクと間奏部分に「サイレン#」の歌を入れてアルバムバージョンを作った。



夏あたりに向けて、以前のシングルが通常CDとしてリリースされ直すということらしいので、普段シングルを買わない人も機会があったらこのシングルだけは聴いて欲しいな思ってます。
2004-11-23 1101216540
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