初詣
カテゴリ:日記

 

 電車に乗って初詣に出掛けた。神社は沢山の参拝客で賑わっていた。お好み焼き、たこ焼き、焼鳥、イカ焼き、唐揚げ、綿菓子、丸っこいカステラ、りんご飴、金魚すくい、亀、いろいろな出店が楽しい。気分が高揚してきて、「やったろかいやー!」とわけの分からない奇声などを上げたいような気持ちになってきたが、新年早々に面倒くさいトラブルに巻き込まれてもいけないので我慢した。

 

 どれも美味そうだなと思って出店を一店一店眺めていると、たまに明らかに様子のおかしい店があって興味をそそられる。だが、気をつけないといけないのは、どこぞのクズ肉を寄せ集めて四角くして串に刺して焼いてます的な店、だ。隣の隣くらいでブタのバラ肉や焼鳥のしっかりしたヤツを提供している店があるものだから、その肉の怪しさが際立って、なんだか脂もヌラヌラと得体の知れない光沢を帯びているように感じる。オッサンも内田裕也を30回くらい糠につけ込んで干したような金髪で、妖気だけが四方八方に飛び散っている。どこの店でも大量の串焼きを鉄板や網であぶっているにも関わらず、3本くらいしかクズ肉串を焼いていないのもヤバさに拍車をかけている。今日はそんな店を見かけて、ダークサイドに引きづり込まれそうになったけれど、必死にポジティブなことを考えて怪しい肉のことは気にしないようにした。

 

 出店と人出に圧倒されながら境内の奥に進むと、正月専用のデカい賽銭箱があった。鐘を鳴らすことができないのがちょっと寂しい。そこにいくらかのお賽銭を優しく投入して、昨年の感謝と新年の挨拶を心の中で唱え、さらにもう一度「ありがとうございます」と心の中でつぶやいて一礼。普段から、神社では感謝の言葉しか述べないようにしている。願いごとなどはしない。お守りくださいとも言わない。感謝あるのみ。俺はそうしている。

 

 お参りの後はなんだか清々しい気分になった。そして、おみくじ売り場に移動。100円の、一番オーソドックスなおみくじを引いた。

 

 

 凶だった。今年一年はとにかく神様に祈りなさいということだった。願い事叶わず、待ち人来ず。良いことが全く書かれていなかった。いっそのこと金髪のオッサンの店でクズ肉でも買って胃腸を痛めつけて寝込んでしまうのもありかもしれない、そんな気分で神社を後にした。1月2日。

2013-01-02 1357133049
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