ベスト盤について
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ベスト盤について。

 

いろいろ言われているみたいなので、ここで経緯を説明しておきますね。

 

まずはレーベル社長直々の熱烈なラブコールがありました。「俺はもっとお前らの音楽を世に問いたい」と、そういう言葉をもらいました。全然、届いてないと、こんなもんじゃないと、だからそういう機会をくれと、そういう言葉でした。当時、我々をインディーから発掘してくれた人でもあるので、率直に嬉しかったです。

 

そして、アジカンメンバーの総意としても、ベストアルバムを出すには良い時期ではないかという気持ちがありました。オリジナルアルバム6枚、ミニアルバム2枚、B面集1枚という作品数を考えると、ベスト盤という入口を用意したほうが良いのではないかという気持ちが我々にはありました。フェスやツアーを重ねながら、そういう想いは実感として深まっていきました。

 

我々のリスナーとしての意識というのも関係しています。例えばマニックスのアルバムを、全くマニックスを知らないひとに奨める場合にはベストアルバムを選びます。そして、例えば、私自身がXTCというイギリスのバンドに入れあげるきっかけになったアルバムはシングルコレクションだったりもします。

 

ベスト盤のイメージが、昨今はあまり良くないというのも理解しています。ベストのリリースを機にレーベルがバンドの首を切ったり、アルバム2枚くらいのキャリアでもベストアルバムがリリースされるようなご時世ですし、オリジナルアルバムよりもベストアルバムが売れてしまう風潮に淋しさを抱いているミュージシャン/リスナーの独りでもあります。

 

まあでも、そういうことを全部考えても、出すなら今しかないなという結論です。というか、今出すべきだろうと。打って出るぜ、と。音楽好きを増やしてやるぜ、と。

 

 

 

今日は中村君の作業場に行ってきました。これまでのヒストリーを網羅するような対談をしてきました。かなり濃く。もうアジカンがなくなるまで描くと言っていました。5人目のメンバーみたいなものです、最早。そんな日にこういう日記を書くのも何かの縁でしょう。

 

ベストアルバムの選曲は私以外のアジカンのメンバーが行いました。まわりのスタッフもそれに加わって、実に愛のある話合いが行われていました。1枚なので、絞るのがとても難しかったようですが、これしかないだろうなという選曲だと思います。(ちなみに私が選ぶとかなりマニアックになってしまうので、それはそれでいつか日記で公開しますね)

 

私からの提案は、「君繋ファイブエム」の再現ライブをDVDで収録したいということ。これはまだ公開するなと言われていますが(まだ収録していないので)、絶対に実現させたいので書きます。これは、昔のほうが良かったというひとへのささやかな抵抗かな。ははは。今のほうが絶対良いので。別に俺たちは「君繋」も「ソルファ」も内包したままアップデートして進んでいるので。収録曲のメンバー解説もブックレットにつけてもらうことになりました。当時のエピソードなども。

 

そういうわけで、面白い作品になると思います。知らないひとは入口として、ずっと応援してくれているひとは「君繋」のスタジオライブDVDにCDが付いていると思ってくれて構いません。

 

では。

 

後藤正文

 

2011-11-02 1320160168
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